<おちょやん>杉咲花、「とと姉ちゃん」で共演の高畑充希からは「エールをいただきました」
「喜劇に対するリスペクトが強くなりました」
――作中では関西弁を披露していますが、難しさなどはありますか?
今まで方言のある役をほとんど演じたことがなく、いつか演じることができたらなと思っていました。なので、今回は撮影の1年ほど前から指導していただき、こんなにぜいたくに学ばせていただけて、とても楽しいです。
千代は南河内の出身なので、関西弁の中でも言葉が荒かったりするそうなのですが、(千代の幼少期を演じた)暖乃ちゃんは巻き舌がうまくて迫力もあって。
その部分は私も引き継げたらなと思いながら演じています。
関西出身の役者さんとのシーンも多いですが、中でもお父ちゃん役のトータス松本さんとのシーンは、千代の血が騒ぐ瞬間でもあるので、難しさもありますが楽しいです。
――今回、喜劇女優である浪花千栄子さんが千代のモデルとなっていますが、浪花千栄子さんや喜劇に対するイメージを教えてください
浪花千栄子さんについては「水のように」という自伝を読ませていただいて、毎日を丁寧に過ごすことを大切にしている方なのだろうと思いました。
苦しい体験や辛い思いをたくさんされていると思いますが、それに負けないくらい生きるパワーや諦めない気持ちが強い方だと感じました。
喜劇はこの作品が決まった時にスタッフの方と観に行かせていただきました。初めて見た時は出演者の方々から「すべてのお客さんに笑って帰ってもらうんだ!」という空気を感じて、鳥肌が立ちました。
その姿勢にも感動しましたし、「おちょやん」を通して改めて人に笑ってもらうことの大変さを知ったので、喜劇に対するリスペクトが強くなりました。
――コメディ要素もある「おちょやん」に取り組む中で、改めて感じた“笑わせる”ということの難しさや感じたことはありますか?
星田英利さんのように人を笑わせることをずっとしてきた方と実際に一緒にお芝居をしてみて、改めてすごいなと感じています。ツッコミとかもすごく早くて。
撮影をしていない時でも常にボケたりツッコんだり。その姿が本当に面白いです。
千代に関しては、本人が笑わせようと思ってやっているのではなく、周囲から見ているとその様子が面白いという場面が多く。
そういうシーンは考えすぎて演じると面白くなくなってしまうというか、気づいたら面白がらせよう!としてしまっている自分がいて、こうじゃないな、と感じることもあります。
また、“朝ドラ”には監督が何名かいらっしゃるのですが、全然カットをかけない方もいらっしゃって…。
そのシーンのアドリブを楽しんでいるんです。
そういう時は自分なりに頑張ってアドリブを言ってみたりするのですが、びっくりするくらいシーンとなることもあったりして、すごく落ち込みます(笑)。
そんな時でも「次頑張ろう!」と思えるようになってきたので、メンタルは強くなったと思います。