佐藤は山田との共演作「50回目のファーストキス」(2018年)の米・ハワイでの撮影時を振り返り、「『関西人の役は関西の俳優がやるべきだ』という孝之らしい考えだから、僕も『分かった』と答えたんです。でも、撮影の終わり頃、孝之がやってきて『これ、標準語じゃダメですか?』って。山田孝之は日本最高級の俳優だと思ってるから、『孝之がやってくれるなら変えるよ』ってすぐにプロデューサーに国際電話をしました」というエピソードを披露。他のキャストのセリフにも影響したことについて山田は「僕のせいですみません」と謝罪した。
坂井は劇中では、佐藤が造ったオリジナルの方言を話している。「脚本を読んだ時、佐藤さんがこだわって書かれていることと感じたので、絶対に覚えたいなって」と、佐藤の脚本に感銘を受け、一言一句違わずに記憶したと話した。
質疑応答で、「佐藤監督から言われて印象に残っていることは?」と質問され、山田は「金髪にして」と返答。それを聞いた佐藤は「金髪とドカジャンは“どうしようもないチンピラ”の象徴として、舞台版と同じようにしたかったんです」と説明し、「他にない? 記事にしやすいこととかさ。『金髪にして』って5文字だけだよ」と山田を促すが「何か適当にある事ない事書いてもらって大丈夫ですから」と真顔で返され、佐藤が「冗談ですよ、皆さん!真顔で冗談言うんだから(笑)」とすかさずフォローして場を和ませた。
最後に佐藤が「この期に及んでは『見てくれ!』という気持ちです。朝から孝之と取材を受けていて、孝之が言ってた『見といた方がいい映画だと思います』というのと僕も同じ意見です。山田孝之と僕を見て、“ヨシヒコと仏”と思う人たちは一人残らずこの映画を見やがれ!という作品です」とメッセージを送り、会見を締めくくった。
映画「はるヲうるひと」は、6月4日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー。
◆取材・文・撮影=田中隆信
6月4日(金)より東京・テアトル新宿ほか全国ロードショー
出演:山田孝之、仲里依紗、坂井真紀、佐藤二朗ほか
原作・脚本・監督:佐藤二朗
配給:AMGエンタテインメント
配給協力:REGENTS
製作:AMGエンタテインメント/ハピネット
公式HP:https://haru-uru.com/