上白石萌歌が連続ドラマ初主演作で同級生の死に立ち上がる高校生を熱演! 「真実とは何か、偽りとは何か、正義とは何かを必死に問う物語です」
権野元監督 コメント
――原作や脚本を読まれた際の感想をお聞かせください。
「ソロモンの偽証」は宮部みゆき先生の平成を代表する大型ミステリーであるだけではなく、映画化もされ既に高い評価も受けている。連続ドラマとして監督する話を貰って最初に感じたのは、むしろ恐れだったかもしれません。
しかし、それは徐々に変化していきました。篠崎絵里子さんの脚本は設定を現在に置き換えただけではなく、主人公たちが中学生から高校生となり、味わいがひと味もふた味も違う魅力を放っていました。描きたい、描かなくてはならない、人間関係や場面が無数にある話です。
全8話で紡ぎ上げることで、より綿密に誠実に向き合うことができ、それこそが平成を代表する原作を令和に撮る意味でもある。膝の震えもこれは武者振るいなのだと感じられるほどに、早くクランクインを待ち侘びる気持ちになっていきました。
――主演の上白石萌歌さんについての印象はいかがでしたか。
初めて会う前に、主演舞台「ゲルニカ」を観劇していたこともあって、期待しかありませんでした。実際に会ってみて尚更、主人公・藤野涼子を演じられるのは上白石萌歌しかいないと確信に変わりました。
年齢を聞くと、思わず「え?」と言いたくなるような強い意志を持った佇まい。何かこちらをたじろがせてしまうような強い意志を感じさせる瞳。
そんな彼女から放たれる言葉はまた独特な説得力を持ってどこか空間を支配するような強さも持っているのですが、反面、年相応な可愛さや脆さ、危うさも感じられたりして。そんなエナジーゾーン萌歌さんの、いろんな面をもっともっと見たい、掘り出していきたいと、毎日毎日楽しませてもらいました。
――撮影で心がけたことや、撮影を終えての感想を教えてください。
コロナ禍で様々な制約がある中、キャスト、スタッフには普段の撮影より手間もストレスもかかり大変だったと思います。ですが、結果としてはその押さえつけられたものへの反動で、これまでの作品では感じなかったタイプの熱のようなものが産み出され、画に映し出されています。
今作は中心人物である高校生たちとそれを取り巻く大人たち、という近くて遠い世界を描かなければなりません。萌歌さんを始め出演者が、即興にも近い、今この場で感じたものを出し尽くせる現場を作ろうとしていましたが、考えていたより多くのものを逃すことなく捉えられたのではないかな、と自負しています。
――今回の映像化を通じて届けたい思いや、視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。
ある生徒の死から始まる「ソロモンの偽証」。事件の謎が徐々に明らかにされることはもちろん楽しんでいただける点ですが、物語に出てくる多種多様な人物、それぞれの家族の在り様も見て感じていただきたい点ではあります。
コミュニケーションの形が変化している現代で、最小の社会でもある家族の真実。破壊と再生。様々な家族が存在しているので、視聴者の方もどれかの家族のどこかの部分で共鳴して楽しんでいただけたらと思います。あとは静かに、だけど決してブレない熱量を持った若者達の生き様を届けられたら、と。
2021年秋スタート(全8回)
WOWOWプライム、WOWOW 4Kにて放送(※第1話無料放送)
WOWOWオンデマンドにて配信
https://www.wowow.co.jp/drama/original/solomon/