「ドッキリかな?と少し思ってた(笑)」
あとね、今回授賞式に参加したんだけど、ここだけの話、この賞のこと、僕、知らなかったんです。
だから、ドッキリかな?と少し思ってた(笑)。昔よくだまされてたから、つい疑っちゃう。一人のカメラマンの人がちょっと怪しく寄ってきて「動きのあるやつください」とか言うからさ。何でトロフィー持ちながら、動きのあるものをあの場で要求するのかと思って。でもそれは彼のセンスだったみたい。僕の勘違いでした。選んでいただき、ありがとうございました。
そう思うと、この「ペペロンチーノ」もそうだし、映画「ミッドナイトスワン」では日本アカデミー賞をいただいた。'21年前半の僕、結構活躍したよね? 誰かもっと“いい子いい子”してくれてもよくないですか? もっと褒めてほしい(笑)。僕は、いい!と言ってくれる人がいることが一番自分の励みになるので。
僕が大人になったと感じたときは…う~ん、40歳を超えてからかな。小さいときから基本的には変わってないんだけど、そもそも大人という定義が何をもって大人というのか分からないのでね。自分の人生の経験が少したまってきて、それが確実に濃く実感し初めたのは40歳過ぎてからかなと。もちろん、免許を取って運転してみたとか、20歳のときももう大人だよ!と思ったよ。節目節目でね。でも、積み重ねというのかな。大人の階段の~ぼるぅ~、君はまだシンデレラっさー(と『想い出がいっぱい』を突然熱唱)じゃないけど、階段を積み重ねていって実感していくのが大人なんだと思います。
でも本質は変わってない。ちょっと話が長くなるけどいい? 僕、覚えているのが、中1の入学式の日に新しいクラスになってね。今より子供の数が多いから、ひとクラス50人近くいるのよ。それが7クラスあって。で、みんな席について僕は壁際の席で、先生が何かしゃべってるとき、すぐ横の壁に変なプリントが画鋲ではってあるのに気付いたんだよね。前のクラスの残りなのか、その誰かのプリントに先生が「それじゃ君はいい大人になれないよ」みたいなことを書いていて。それを見たときに、ああ、俺もいつか大人になるんだなと漠然と思ったんですよ。中1の子供から見たら担任の先生も大人だけど、その先生よりもっと大人の、40歳とかかな。僕もその年齢になるときがくるのかなって。