吉沢亮が主演を務める大河ドラマ「青天を衝け」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。10月17日に放送された第31回「栄一、最後の変身」では、栄一(吉沢)の自宅におなかの大きくなった、くに(仁村紗和)の姿が…。身分ある男性が妾(めかけ)を持つことに寛容だった時代、やりきれない思いを人知れず長いため息で吐き出した妻・千代(橋本愛)に共感の声が上がった。(以下、ネタバレがあります)
同作は、“日本資本主義の父”と称され新一万円札の顔としても注目される実業家・渋沢栄一を主人公に、近代日本の歩みを描く。第31回では、栄一たち新政府役人が中心となり、日本初の銀行づくりに向けた根回しが行われる様子が描かれた。
そんな第31回冒頭、栄一に手を引かれたくにが東京の渋沢邸にやってきた。事前に栄一から話を聞いてはいた千代だが、その目はくにの大きなおなかに注がれ、やはりショックは隠しきれない。
地面に膝をつき、「奥様どすか?堪忍どす」と申し訳なさそうなくに。栄一も「すまねぇ!は…腹の子は、俺の子なんだ」と正直に打ち明け「くには、大阪で俺の世話をしてくれていた。身寄りがいねぇ。ほっとくわけにはいかねぇ」と言い募る。平身低頭の2人を前にしては、千代も受け入れないわけにはいかない。
「そうでしたか…はぁ…、そうですか、お前様のお子が…そうですか」と自分を納得させるようにつぶやき、「それなら、おくにさん。おくにさんも、おなかのお子も、ここで共に暮らせばよいではありませんか。お前さまのお子です。ともに育てましょう」。寛大な態度の千代に、くにも「おおきにありがとうございます!」と感激し、栄一は「ありがとうお千代!恩に着る!」と地面にひたいをこすりつけんばかりの勢い。その姿を見て、何も言わずほほ笑んだ千代だったが、誰もいないところでは一人、長~いため息をついたのだった――。