人生何が起こるか分からないので…冒険ですよねぇ。
――真彩さんは皆さんに大切にしている言葉を伺っている印象があります。直接的に質問していなくても、導いてキャッチーな言葉を引き出しているというか…。
そうなんだ! 聞き手としてはあまり意識していなかったです。私自身、話すことが大好きな人間なのですが、言い回しとかを結構気にするタイプで。難しいのですが、この言葉だと自分が本当に伝えたいこととは違うんだよなとか、そういうことを感じることも多く。だからこそ、その方が大切にしている“言葉”というものがそのまま読者の方にストレートに、ダイレクトに伝わればいいなと無意識に思って聞いていたのかもしれません。
――たしかにいただいた言葉はゲストの方たちも端的に分かりやすく伝えようとしてくださっているので、聞いている側にもスッと入ってきて頭に残りやすいですね。また、先ほども話題に出ましたがゲストの方のバックボーンやターニングポイントについても伺っていた印象があります。
それはやっぱり気になっているからです(笑)! 人間って何かが急に加速するタイミングみたいなものが人生のどこかに必ずあると思うんです。「私は何でもない人生です」っていう人もいるかもしれないけれど、毎日生きている中で絶対に何かが起きていて、その中で衝撃的だった出来事ってたくさんあるはず。
実際に私も「この出来事がなかったら今の自分にはなっていなかったな」ということがたくさんあります。でもそれって自分の人生だから自分しか知らない。自分の芸の道を広げるためにも、何がきっかけでゲストの方の今の姿があるのかというのは興味がありました。すばらしいゲストの皆さまが何かを乗り越えてきた経験を状況は違えど、その時何が起きてどんなふうに感じたのかというのを知りたくて。伺ったお話はお守りみたいな感じですね。
――約1年、この連載はもちろん、他にもたくさんの出会いがあったと思いますが、何かご自身で変わったと感じることはありますか?
連載をやったことで自分の中の道みたいなものは広く太く広がったというか…いろんな選択肢ができたと思います。やるべきことに真剣に向き合うことができたなら、どんな道を歩んでもいいなと思いますね。正解ってわからないし、何百通り、何千通りというやり方、生き方があるけれど、笑顔で楽しく生きることができたら一番だなって。新妻(聖子)さんが「変な話“絶対にミュージカルを続けたい”というこだわりも無くて、究極、どっちでもいいと思っている。家族のライフプランとか、体調とか、いろんな流れに逆らわずにいくつもりです」とおっしゃっていましたが、私も自分自身がどう進んでいくか先の事は分からない。普通に過ごす中でいただくご縁とていねいに向き合い、生きていきたいです。
――濱田めぐみさんの回では「必要とされているからこの世界にいる。演劇の神様は、クリアで頑張り屋な人を選ぶ」というようなお話をされていました。人前に立つということは普通のことではないような気がしますが、真彩さんにとってきっかけがあってその道に進んだ、という流れが “普通”のことなんですね。
何かご縁があったからこそ、この職に就いているわけですが、それも一つの運命だったんだなぁと感じています。私自身、お客さまやファンの方に喜んで頂きたい!そのために誠心誠意向き合うぞ、というエネルギーは人一倍強いので、求められていることにしっかりと答えていきたいですが、自分でも将来どうなっているかわからないです(笑)。本当にね、人生何が起こるか分からないので…冒険ですよねぇ。ワクワクします。