クロちゃんは男の欲求をさらけ出している人
――野村さんがもともとクロちゃんに対して抱いていた印象から、実際にクロちゃんとお話しされたり、演じたりされた後、変化はありましたか?
クロちゃんは僕、昔から好きだったんです。笑いの神に愛されているというか、面白すぎる。そこが人を魅了しているところなのかなと思います。
最初は、本当にこの人変な人なのかなと思っていたんですけど、演じるうちにクロちゃんは男の欲求をさらけ出している人なんだなと。ただ欲に素直に生きたらああなったんだと思います。だから世の中の男性が、自分の中でダメだと思っていることを我慢をせず、欲に忠実に生きたらああなるんじゃないかなと…男性は心なしか、みんな共感するんじゃないかな。
――男性の欲望の象徴のような。
三大欲求の一つはクロちゃんですからね。
――黒川明人とクロちゃんの違いって演じてみて何だと思いましたか?
クロちゃんと黒川明人は一緒ですね、マジで(笑)。先日も会ったんですが、プライベートも同じような感じです。まだ見せてくれてないのかなとも思いますが…。これからまた一緒にご飯とか行って、いろんな一面が見られたら面白いなと思ってますね。
配役が決まってからクロちゃんに会った時は「本当に受けてくれてありがとうございます」「逆によく受けてくれましたね」って言ってくれました。ネタとして「俺もなんで受けたかわかんないですよ」っていうと「あーもうそんなこと言わないで!」っていうクロちゃんらしい返しをしてくれました。
でも、逆に僕からしたらこれを受けたヒロインたちの方がすごいなと思います。しっかりと内容を見て受けてくださったわけじゃないですか。けっこうすごいことをやらされていますし…3話はクロちゃんならではのインパクト強めのキスシーンもあったので、一番きつかっただろうなぁ。
――印象に残っているシーンやセリフはありますか?
実際に言って気持ちよかったのは、第4話の「あーん、アグネス・チャンさんみたいに言わないで」っていうセリフ。これが唯一ずっと気持ちよかったです(笑)。
――今回のドラマは全5話ですが、その中で野村さんが一番印象に残っているのは第何話ですか。
電車で夢精するシーンがあって、そのシーンはクロちゃんが「あんなにやってくれていいんですか」って言ってくれたぐらいやりました。その一言をクロちゃんに言わせたって、すごい誇らしいなって思いましたね。「そこまでやる?」ってさすがに言いましたけどね(笑)。
でも昔から「日々ロック」(2014年)とか、映画でも尖った役をいっぱいやってきてるから、このドラマやるのはそんなに抵抗ないんですよね。全部スッと入れた感じはしました。
――撮影中に印象に残っているエピソードはありますか。
「豆柴の大群」っていう、クロちゃんがプロデュースしているアイドルグループがいて、4話でその子たちがキャバ嬢役をやってくれているんですよ。僕はドラマの中で、その子たちのパンツとかを覗こうとしてるんですよね。
でも「豆柴の大群」が出ることは、クロちゃんは知らなかったんです。クロちゃんにとってこのアイドルグループは娘のような存在。だから俺がクロちゃんを演じてパンツを見ようとすることは、クロちゃんからすると、自分の娘のパンツを見ようとしているような感じがするそうで「すごいやだ」って言ってました。それは面白かったですね。
「毎回こんな撮影ができたらいいのに」撮りたいものを撮り、映してほしいものを演じたドラマ
――撮影の現場では、かなり意見を出されたんですか?
色々意見を言わせて頂きました。カメラワークについてとか、クリント・イーストウッドばりに言ってましたね(笑)。
――普段の撮影と比べて、作った達成感も大きかったですか?
本当、楽しく意見交換をしながら、みんなでああじゃない、こうじゃないって言いながらできました。今回はすごい愛がちゃんと詰まった撮影方法だなと思いました。みんなが撮りたいものを撮る、そして僕も映してほしいものを演じられました。もう毎回こんな撮影ができたらいいのになって思います。
――最後に、視聴者の方々に向けてメッセージをお願いします。
これがもし地上波でできてたら、日本が少し変わるぐらい面白い作品なんじゃないかな。これだけ面白いことを日本もできるということを感じとってもらいたいですし、日本も捨てたもんじゃないなって感じてもらえたらいいなぁと思います。