「特殊なことをしてまで見てもらわなくても構わない」という斑鳩と対立する知陽
知陽は「斑鳩は俺の仕事に文句があるわけ?あの作品成功したよね?実際たくさんの人たちが足止めてたよね?」と反論。さらに知陽が斑鳩が何を怒っているのかわからないというと、斑鳩は「あんな特殊なことをしてまで見てもらわなくても構いません。僕は、評価してもらいたくて描いてるわけじゃないんです。描いていられたらそれだけでいいんです」と気持ちを伝える。知陽は「何か見誤ったみたい。俺は自分の仕事に満足してる。斑鳩が違うって言うんならさ…」と冷たい笑顔を向け、「お前の熱意が足りなかったってことじゃない?」と言い残して立ち去ってしまう。
斑鳩の悩みを解決できなかった和哉たち。道臣は「榊先輩はとくに実力主義で、興味のない人間とは組みたがらないって有名だから」と知陽が斑鳩とパートナーを組んだことに理由があるように言う。しかし、斑鳩が「ぼくは批評されることが嫌で怯えてるダメなアーティストです」とネガティブ発言をすると、和哉は「先輩たちのパーセプションアートをもう一度見せてもらえませんか?」と提案する。
和哉が斑鳩と知陽の作品を見ると、歌と歌詞が流れてパーセプションアートの世界が広がる。基本的に1話に1回はパーセプションアートが展開するパートがあり、毎回趣向を凝らしたシーンにウットリとさせられる。
和哉は「誰かとひとつの作品を作り上げるってすごいこと」と言い、斑鳩に向き直って「アーティストとグレーダーっていろいろあるけど、きっと繋がってるんですよ、作品を良くしたいって気持ちでは。斑鳩先輩の作品を見てもらいたいって思ったんじゃないですかね?だってパートナーだから!」と両手をグーにして訴える。さすが、ポジティブキャラクターな和哉。なんていいことを言うんだろう!とこちらの気持ちも明るくなる。
斑鳩はフレームに触れて少し考えると意を決したように「もう一度お付き合い願えますか?」と和哉たちに言う。帰ろうとしている知陽を待ち構えて「少しお時間をもらえないでしょうか?」と斑鳩が声をかける。知陽が「斑鳩って告白するのに連れがいないとダメなタイプ?」と憎まれ口を叩くが、「話があるんです、あの作品を一緒に作ったパートナーは君なので」と斑鳩は頼み込む。声が裏返って怯んでいることがわかるが、それでも頑張っている斑鳩を応援したくなる。
斑鳩の言葉にキレた知陽は作品に金槌を振りかざす!
作品を前に斑鳩がショックだったことを伝えると、知陽は道具は道具らしく使われてなよと上から目線な物言いをする。さすがに斑鳩がムッとして「その道具の使い方が下手なんじゃないですか?」というと、顔色を変えて部屋を出ていったかと思うと、大きな金槌を引きずってくる知陽。地響きまでするようで金槌は火花を散らし、鬼気迫る知陽のキレた形相が恐ろしい。
「じゃあ壊してやるよ」と知陽がパーセプションアートに金槌を振りかざすと、斑鳩がタックルしてそれを制する。知陽のフレームがイメージされたビジュアルに、知陽と斑鳩がスローモーションで浮かび上がり、美しく印象的なシーンが繰り広げられる。
知陽が「俺の作品をどうしようが勝手でしょ」というと、「僕たちの作品です!榊くんと僕の。だから勝手に壊されては困ります」という斑鳩。さらに彼は「もう一度向き合って気づいたんです、このフレームが僕の描きたかったもの、大事なものを際立たせているのかもしれない。だからこそたくさんの人たちがこのパーセプションアートの前で足を止めてくれた。僕だけの力ではできなかったことです。悔しいですけど」と静かに微笑む。知陽は「俺も覚えておく、お前みたいなアーティストがいるってこと」と言って斑鳩に向き直る。そして、「見てもらわなくていいなんて、さすがに俺も傷ついちゃうよ」と言って去って行った。やはり知陽は斑鳩の作品を見てもらいたくて、フレームを作成したことがわかり、安堵すると同時に心打たれる。
無事に斑鳩の悩みは解決し、2人が和解したことにホッと胸を撫で下ろす。斑鳩のおずおずとしながらも内に秘めた強さが感じられて胸が熱くなり、八代の力量を再認識させられた。また、アーティストとグレーダーは葛藤しながらもクリエイターとして絆で結ばれた良きパートナーであることに感動が胸に広がる。他のパートナーたちももっと見たい気持ちが強くなった。
※島崎信長の「崎」は正しくは「たつさき」
◆構成・文=牧島史佳
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