それぞれ離婚を切り出す、みちと新名
2人がその後にどんな会話を交わしたのか。その描写はなかったが、それぞれ自分のパートナーと向き合うラストとなり、ともに「話がある」と切り出したのは、離婚だった。
“話”が子どもについてだと思った陽一は、「子ども作ってもいいよ」と言うが、「私は、もうその場しのぎの言葉はいらないの」とみち。第5話の回想シーンで、みちが陽一に好意を抱き、2人の関係が始まったことが明かされている。それ以来、陽一にみちが合わせるバランスで、陽一はそれが変わらないと思ってきた。だが、みちは欺かれていた現実を知ってしまったのだ。
また、新名が楓を選んだ理由は第2話で明かされている。専業主婦の母が自分を犠牲にしているように見えた新名は、夢を仕事にして自分を主張する楓に引かれたのだ。しかし、そんな彼女を自分が支えればいいと思っていたはずが、いつしか楓の顔色ばかりうかがうようになっていたとも。一方、本話で陽一の店に行った楓は、「誰かのせい」ではない現実を思い知った。
みちと新名が思いを寄せ合ったことが一つのきっかけだろうが、振り返ればそれぞれの夫婦が過ごしてきた中でのすれ違いや変化も決断の背景にあったはずだ。不倫、浮気とひとくくりにできない展開に考えさせられる。
SNSには「陽ちゃんの『子ども作ってもいいよ』発言はこのタイミングでは残酷」、「陽ちゃんが子ども欲しくないこと、ずっと黙ってたんは罪やなぁ」と陽一への反響も多かったが、「ついに離婚へ動いたか…来週も見逃せない」と注目度が高まっている。
◆文=ザテレビジョンドラマ部