風間の右目から流れた一筋の涙
中込を風間道場から無事に卒業させたものの、その直前に遠野の容態が悪化していた。幸葉が「病院に行ってください」と訴えたが、風間は「被疑者と面会の約束がある」と優先したのだ。
新人刑事を育成する風間の指導官としての責任感。矜持でもあるだろうか。しかし、今回は悲しみを伴った。
風間が駆け付けたとき、遠野は息を引き取った後だった。風間は幸葉が怒りをぶつけるのを黙って受け止め、病室で眞堂から最期に意識を取り戻した遠野が「僕は、刑事になれませんか?」とつぶやいたと聞いた。それは遠野が十崎に刺されたあと、意識が遠のくなかで風間に向かって言っていたことだ。
風間道場に送り込まれた新人の中で誰よりも刑事になりたいという思いを強く持っていた遠野。それを知る風間がどれほどの悔しさと悲しみに襲われたのかは想像に難くない。
署に戻り、かつて遠野とも稽古した道場で、打ち込み台に向かって竹刀を振り続ける風間。黙々と、だがその音でどれだけの気持ちをぶつけているのかが分かる。しまいにはその竹刀が折れてしまうほどに。
そして、これまで感情の抑揚を見せてこなかった風間が泣いた。遠野と共に十崎と対峙したときに刺され、義眼となってしまった右目からこぼれ落ちる涙。風間の人間味を物語るには十分過ぎるともいえる名シーンだった。
反響も一段と大きく、「#教場0」がTwitterのトレンド1位になったほか、「#風間公親」「遠野くん」がトップ10入り。前回と同様に染谷の演技への称賛のほか、「風間と中込の握手に感動」「涙が止まらない」「遠野くん生きててほしかった…」「遠野くん、君は立派な刑事だよ」「風間の涙に号泣」とさまざまな感想が上がった。
次回、6月19日(月)放送の第11話(15分拡大)が最終回となる。
※濱田崇裕の濱は旧字体が正式表記
◆文=ザテレビジョンドラマ部
TCエンタテインメント