俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍中の染谷俊之の魅力に迫るWEBザテレビジョンの連載「月刊染谷WEBマガジン」。毎月、深掘りインタビューを敢行し、仕事の近況からプライベートまで、事務所NGギリギリの質問をぶつけて“染様(染谷俊之の愛称)”を丸裸にします。第20回は、出演ドラマ「怪談新耳袋 暗黒」にちなみ、染様が実際に体験した“怖い話”について聞きました。
夜中に目を覚ますと、リビングに髪の長い女性が…
──7月27日にスタートしたドラマ「怪談新耳袋 暗黒」(毎週木曜23:00~23:30/BS-TBS)の放送(出演回は8月10日)が近づいてきました。そこで、今回は思わずゾッとする“怖~い話”をしていただき、涼を取ろうと思います。前回(第19回)でも霊体験の話をしてもらいましたが、染谷さんならまだあると思うのでぜひお願いします!
ずいぶん雑なフリですね(笑)。でも確かにまだまだありますよ。例えば、名古屋のホテルに泊まったときの話なんですけど、朝起きたら、ベッドに誰かの足跡がくっきり残っていました。
──それって、染谷さんが自分で夜中に付けた足跡じゃないんですか?
いや、違いますよ! 子どものような小さな足跡で、しかも片足分しかなかった。さらに言うと、まさについさっき付けたような、真新しいというか、くっきりとした跡でした。その日はツインルームに1人で宿泊していて、もう1つベッドがあったんですが、そちらではなく、僕の寝ている方にだけ付いていました。おそらく僕が寝ているときに、上に乗られて付けられたんだと思います。
──それは怖いですね。寝ているときに金縛りには遭わなかったんですか?
そのときは遭っていないと思います。自覚症状はなかったんですが、もしかしたら、遭っていたのかも。心霊体験って夏によく起こると思うんですけど、僕の場合、季節はあまり関係ないですね。疲れているときに金縛りに遭いやすくなります。
──前回のインタビューで、中学・高校時代にもよく心霊体験に遭ったと言っていましたが、一番初めの記憶はいつごろか覚えていますか?
それこそ本当に小さいときです。当時、神奈川県の団地に住んでいたんですが、僕と兄が同じ部屋で寝ていて、枕元の方向にダイニングルームがあったんです。その左側の部屋で父と母が寝ているという間取りでした。その夜はドアを開けて寝ていたんですが、ふと目が覚めて、何気なくダイニングのほうを向いたら、髪の長い女性の後ろ姿が見えて、髪の毛をずっととかしているんです。それが母だと思って、「お母さん、お母さん」って話かけるんですけど、なぜか無視されて振り向いてくれない。「変だなあ」と思いつつも、そのままいつの間にか寝てしまって、次の朝、「あれは夢だったんだ」と思っていたら、父から「お前、夜中ずっと『お母さん』って呼んでいなかった?」と聞かれて、「ああ、夢じゃなかったんだ」と悟りました。
──それもゾッとする話ですね。子どものころの体験ってトラウマになると言いますが、大丈夫でしたか?
全然大丈夫です。住んでいた団地も霊が出るとか、そういう噂もなかったですし。霊で怖い思いをしたことは今までもありません。
まさに危機一髪。自動車事故に巻き込まれて「死ぬかと」
──ここからは心霊現象以外の“怖い”体験について。命の危険を感じた出来事はこれまでありましたか?
これも小さいころの話なんですけど、幼稚園に入る前くらいのときに、兄の自転車に勝手に乗って、そのまま坂道を猛スピードで下って行ってしまったことがありました。そのまま坂の下の道路を越えて、その先にあった駐車場に突っ込んで自転車はぐちゃぐちゃに。僕は血まみれになりました。そのときの風景は30年くらい経った今でも鮮明に覚えています。
──それは一歩間違えば、命が危なかったですね。
そのあと、救急車に乗ったのも覚えているんですけど、どの程度のケガだったのか、その記憶は逆にすっぽり抜けているんですよ。入院したのかな? でも最近、アゴの下に古傷があるのに気付いて、恐らくそのときのケガだと思い出しました。
──大人になってからの危機一髪の出来事は?
昨年の話ですが、現在公開中の映画「パラダイス/半島」がクランクアップして、ロケ地の伊豆半島から車で都内へ1人で帰ってきました。首都高の大橋ジャンクションを通ったんですが、そこって分岐や合流でループを描くんですけど、そのとき前を走る車が急に停まって危うくぶつかるところでした。それはなんとかやり過ごしたんですけど、その先で事故があったみたいで渋滞が起きていました。「ついてないな」と思っていたら、急に「バーン!」というすごい音がして、外の景色が見えないループのところで煙が出てきて。
──事故で渋滞しているところに、他の車が突っ込んで二次衝突を起こしたんですね。
そうです。それから少ししたら、「危険ですから、車から降りて避難してください!」というアナウンスが聞こえてきて、周りはみんな車を降りていくんです。でも僕はレンタカーだったので、「勝手に置いて離れてしまっていいんだっけ?」とふと思って、「うわあ、どうしよう」とパニックになりました。結局、僕の後ろの車が(後続車がいないことを確認したうえで)少しバックをして横にかわせる道に進んだので、僕もそれに続いたら、うまく抜けることができました。でもあのときは「やばい、死ぬかも」と本気で思いましたよ。冷静に考えたら、車を置いて普通に避難すればいいのに、パニックになると人間ってどうでもいいことが気になっちゃいませんか?