<どうする家康>吉原光夫「ムロさんにやられたという感じでした(笑)」秀吉演じるムロツヨシの魅力を語る
鳥肌が立つほどの恩愛を感じました
――お市はどのような存在だったと思われますか。また、第30回で死を覚悟した勝家は、お市と娘たちに対して秀吉の元へ行くよう勧めますが、お市は拒否します。その姿を見て、どのように感じたと思われますか。
この作品では、特別お市との恋愛シーンがあるわけでもなく、どちらかというと「最後の家臣」という質感でした。作品の最初の方では、お市と家康が二人でいるところをねたんでいるようなシーンもありましたが、勝家はこれまでも織田家のご子息を養育していたこともあるので、お市の事は最後まで、織田家の君主として仕え、織田家の大切なご子女であったのかな、と思っています。ですが、お市は信長様に忠義を尽くし辛抱が多かったと思うので、特別気に掛けた人物ではないのかな、と思っています。
なので最後のシーンでは、北川さん演じるお市の姿には悲しみの中にもどこか解放された自由な雰囲気がありました。茶々が戻ってくる姿には、鳥肌が立つほどの恩愛を感じました。
北川さん演じるお市は空気が割れるほど凛としていて…
――ご出演回の放送を終えた今のお気持ちはいかがですか。長期に渡る撮影で思い出に残っていること、特に共演シーンの多かった岡田准一さん、ムロツヨシさんをはじめとした皆さんとのエピソードを教えてください。
やはりホッとしている…というのが本音です。もっとがっつり関わりたかったのも本音です。岡田くんとは、大河ドラマ以前に映画でも共演させていただき、彼の一種信長様にも似ている、カリスマ的な部分や、映像やアクションに対する狂気みたいな部分も感じていたので、信長様に仕えるのは容易でした(笑)。
松潤くんとのやりとりが、事務所の中での師弟関係と信長様と家康との関係と重なるところがあり、見ていてほほ笑ましい部分と、ヒヤッとする部分にリアリティーがありました。最初の頃の二人が相撲を取るシーンは、さながら相撲部屋のぶつかり稽古のようで、芝居するのを忘れていました(笑)。ムロさんはもう秀吉だったので、目が怖い…ってずっと思っていました。でも、ムロさんが現場の空気を察していろいろ配慮してくださってました。
家康という何回も描かれている人物を松潤くんが毎回新鮮にトライしようとしてる姿がまぶしかったです。北川さん演じるお市は空気が割れるほど凛としていて、かっこよかったです。