山本千尋の引き出しの多さに脱帽「想像の何倍も面白い」
――主人公のゆりかを演じる山本さんは今作でコミカルな演技も披露されていますが、アクションのイメージが強い山本さんをキャスティングした理由を教えてください。
Netflixオリジナルドラマ「今際の国のアリス」シーズン2や大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(2022年、NHK総合ほか)を見ていたので、私も山本さんに対してアクション女優というイメージが強かったんです。
私自身、アクション女優の方に、少しだけ近寄りがたいイメージがあったのですが、逆にそういう方がコメディーな演技をやったらどんな風に笑わせてくれるんだろうという興味からキャスティングさせていただきました。
そして、山本さんを選んだもう一つの理由としては、目と、声と、佇まいが、すごくきれいだったからです。普通、「敏腕なコンサルタント」と聞くと、単純に冷たい人を想像すると思うのですが、山本さんは凛としてる印象があって。そういった部分が視聴者の方の目を引くんじゃないかなと思い、キャスティングしました。
――そんな新しい役どころを、山本さんご自身も“新境地”と表現されていらっしゃいましたが、コメディー要素のある芝居の際には山本さんから相談があるのでしょうか?
撮影の前に軽いリハーサルをするのですが、そこで山本さんからの相談はほとんどなくて。もちろん台本に対しての相談はあったのですが、演じる上でこうした方がいいのかという悩みは全く聞いていない状態でいざ段取りでやると、想像の何倍も面白いものが返ってくるんです(笑)。
ご本人はすごく真面目な方なので、そんな山本さんが全力で面白いことをしているから「これは笑っちゃいけない!」と思って。撮影中、何回も自分のお腹叩いて「笑うな笑うな」と、こらえていたのですが、「もう1回」とお願いをすると、今度は違うパターンの笑いを見せてくれて。すごく面白い方だなと思いましたし、驚きました。
きっかけは『ラヴィット!』ロケ「興味が沸いてきた」
――そんな山本さんが「ヒロイン」と表現していた福本大晴さんのキャスティング理由も教えてください。
福本さんは、朝の情報番組「ラヴィット!」(毎週月曜~金曜朝8:00-9:55、TBS系)を見ていたら、「アルコ&ピースのオフロシュラン」に出演されていて。そのときは「怖いもの知らずな人だな」という第一印象だったんです。
それに一発ギャグを披露されていたので「根が面白い人なのかも」と思ったのですが、この人が植物としか話せない役を演じたらどんな風になるのかなと興味が沸いてきて。
何より、この物語の中でキセキは愛されなきゃいけない存在だったので、しっかりとみんなから愛されるように演じてくれるかもしれないという期待も込めて、キャスティングしました。
――回を重ねるごとにキセキの魅力が出てきている印象があります。
実は、台本の中にキセキのせりふってあまり書いていなくて。人の目を見て話せないという設定なので、「…」と書かれている部分が多いんです。
ですが、福本さんは台本を読んでどう表現したらいいかということをすぐインプットして、そして自分のものにして見せていくという過程が抜きん出て力がついている人なんだなと思いました。
それはきっとお芝居に対して忠実で真面目じゃないとできないですし、お芝居が好きだからこそできたのかなと。やっぱりこの役を福本さんにお願いしてよかったなと思います。
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
TCエンタテインメント
発売日: 2023/10/11