「俺たちにとっては普通じゃない」
「私に興味のある人なんて誰もいない」と落ち込む岬に、倒理と氷雨はそれぞれ優しい言葉をかけた。
倒理は、依頼の裏で実際に岬と同じ年代の少女が拉致誘拐事件に巻き込まれたことを伝えつつ、「人生は何が起きるか分からない。予測なんてできない。どうしてかって?状況によって、人は誰しもさまざまな役割を求められる。いじられ役、マスコット役、数合わせ。自ら演じたりもする。でも、それがその人間のすべてではない。決めつけることなんてできない。人間そのものがカテゴライズできない生き物なんだよ」と。
氷雨は自分たちが見た岬の評価を伝えることに。まずは、探偵事務所の手伝いをする薬子の「臆病で繊細で、そのくせひどく大胆。だからとっても面白い」というメッセージ。そして「僕の評価は、君は礼儀正しくて、うそがうまい。頭がキレる。そして変装の達人」と告げた。
それに倒理が「普通だと言われた君は、俺たちにとっては普通じゃない。ものすごく迷惑で、ものすごく変な奴。俺たちは一生忘れないだろう」と続けた。
人にどう見られているかは、その程度の差こそあれ、誰もが気になるのではないだろうか。依頼者にちゃんと向き合い、言葉をつむいだ優しさ。SNSには「心が救われてよかった」「倒理と氷雨の言葉が沁みた」「2人の言葉に私も救われた」といった感想が寄せられた。
氷雨の「追いかけないで」の意味とは…
さて、倒理と氷雨がつむいだ言葉が印象に残った第5話だが、ラストの二人の会話も気になるものだった。
倒理が料理をしながら「もし俺が突然いなくなって、探偵が普段の俺について聞いてきたらなんて答える?」と問い掛けると、「なんで他の探偵が出てくるの?倒理がいなくなったら僕が君を追いかけるよ」と氷雨。
「じゃあ、お前がいなくなったら俺がお前を…」と倒理が言いかけると、氷雨が「追いかけないで」と遮った。
その言葉にどんな思いが込められているのか。一つ一つの事件解決の中で少しずつ明かされていく二人の関係性からも目が離せない。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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