好きだったドラマの続編制作が発表されるとうれしいですよね。続きを見る前に、前作を見直しておきたい。今ならそんな名作ドラマがTVerで見られます。見逃していた人も、このタイミングで視聴してみるのはいかがでしょう?「できたら続編が作られたらいいのにな」と思っているのを合わせて、私が特におすすめしたいのはこちらです。
『ゆとりですがなにか』(日本テレビ)
まさか、続編映画が作られるなんて!大好きな作品なので本当にうれしい。居酒屋に出向させられる会社員・坂間正和(岡田将生)、小学校教師・山路一豊(松坂桃李)。「ゆとり世代」「これだからゆとりは」とまとめて揶揄されがちな、いろいろとうまくいかない29歳のふたりが偶然出会って仲良くなり、そこに客引きの道上まりぶ(柳楽優弥)が加わって、ずっと笑いっぱなしのおもしろさなのになぜか切なくなる名作です。あれから数年後、すっかり大人になっているはずの彼ら、続編の映画ではゆとりから脱却しているんでしょうか。
『きのう何食べた?』(テレビ東京)
映画、そしてシーズン2と、弁護士のシロさん(西島秀俊)と美容師のケンジ(内野聖陽)に、何度も会えるのがうれしい。一緒に暮らす恋人同士の、特に大きな事件が起きるわけではない日常。好きな人とおいしいご飯を食べる、ただそれだけ。でも、当たり前のようで、何かあったらもろく崩れてしまう日々を、彼らと一緒に大事にしたくなる。まずは最初のテレビシリーズからどうぞ。
『民王』(テレビ朝日)
強面の総理大臣・武藤泰山と、彼の息子で大人しい大学生・翔の人格が突然入れ替わってしまったことで始まるドタバタ劇。中身が弱気な男の子になった遠藤憲一さんと、いきなり偉そうな態度になる菅田将暉さんがとにかくおもしろい。そして総理大臣秘書の貝原(高橋一生)の毒舌が快感。このドラマ、本編が好評だったのを受けて、続編のスペシャルドラマやスピンオフがすでに作られています。長く楽しめてありがたいし、これからも続編が作られ続けたらいいな。彼らのエンディングダンスをまた見たいです。
続編が作られる喜びについて書いてきましたが、完結した作品の、やりきった潔さも好きです。『俺の家の話』(TBS)の「このあとはもうないんだな」と納得する終わらせ方、これもまた美しい。
■イラスト・文/渡辺裕子