多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠が“クアトロ主演”を務めるドラマ「いちばんすきな花」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系) が10月12日にスタートした。年齢も性別も、育った環境も異なる4人が出会うまでが描かれた第1話。それぞれの思いや境遇に共感などが寄せられ、タイトルがXでトレンド1位に浮上する反響を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます)
2022年に名ドラマを生んだチームが再集結
社会現象にもなったといわれる2022年10月期のドラマ「silent」(フジテレビ系)のプロデューサー・村瀬健氏と脚本家・生方美久氏が再びタッグを組んだ本作。「男女の間に友情は成立するのか?」という永遠の命題をテーマに、違う人生を歩んできた4人の男女が紡ぎ出す“友情”と“恋愛”、そしてそこで生まれるそのどちらとも違う“感情”を描く。
学習塾の講師をしている34歳の潮ゆくえを多部、出版社に勤める36歳の春木椿を松下、美容師で26歳の深雪夜々を今田、コンビニで働きながらイラストレーターを夢見る27歳の佐藤紅葉を神尾が演じる。
友達、友情の壁にぶつかる4人
冒頭、モノローグで4人が幼い頃からそれぞれある思いを抱えていることが映し出された。
「昔から、2人組をつくるのが苦手だった」ゆくえ。「昔から、2人組にさせてもらえなかった」椿。「昔から、一対一で人と向き合うのがこわかった」夜々。「昔から、一対一で向き合ってくれる人がいなかった」紅葉。
そんな4人は、時を同じくして悲しい出来事があった。
ゆくえは、高校時代に通っていた塾で出会い、唯一無二の“友達”となった赤田(仲野太賀)が婚約者に“女友達”と2人きりで会うことを嫌がられ、その友情関係が終わりを迎えてしまった。椿は、結婚を間近に控えていた恋人の純恋(臼田あさ美)を、彼女の“男友達”であったはずの人物に奪われてしまった。
そして、これまで純粋に友達になろうとしても男性からは勝手に恋愛と捉えられ、女性からはそれをねたまれるという経験をしてきた夜々は、同期の相良(泉澤祐希)にも勝手に期待された揚げ句、「友達っていうのを自分が男と遊ぶ言い訳にするのよくないよ」と言われた。
一方、紅葉はイラストの仕事をなかなかもらえず、編集者から「佐藤君、上手だと思う。いい絵を描くと思う。でもね、大事なのは良さより好きになってもらえるかなのね。好きになってもらえる絵、描けるようになってね」と助言された。友達はたくさんいるようだが、その悲しみや悩みを共有できるような人はいなかった。