ジルベールからコメント付きの花が届く
賢二がずいぶんと立派なアレンジメントを抱えて戻ってきて、シロさんが声を上げて驚く。花は航からのもので食卓に置いてすごいと喜ぶが、史朗はメッセージカードを見つける。
そこには「50歳の誕生日 ものすごーく おめでとう!!」と書いてあり、史朗は「なんで俺が50になったって情報、ジルベールが知ってんだ」と眉をひそめる。賢二が「あ…」というと、「賢二、お前!」と怒る史朗。賢二は誕生日を祝いたいと史朗から言われたのが嬉しくて電話で航に自慢したのだった。よく見るとアレンジメントにも「50」のバルーンがデカデカと飾られている。
その頃、航はアレンジメントの写真を見て「50歳ってバッチリわかって最高!こんな派手に祝われたら実感しちゃって絶対凹むよねぇ」と悪い顔をして笑い、航の意地悪なようすに小日向はうろたえる。
史朗と賢二は「シロさん、年を取るのはめでたいこととか言ってたくせにやっぱ気にしてんじゃん」「なんかわかんないけど50はショックなんだよ、50は。だいたいお前だってアラフィフのこと抵抗してだろ」と言い合ってクッションを投げ合うのだった。
なんだかんだと小競り合いながら、一緒に年を取って仲良く暮らす2人を見ていると幸せな気分になる。ジルベールは相変わらずのようで年をとってもいつまでもジルベールで居て欲しいと思えた。
◆構成・文=牧島史佳
東宝