誠司とミズキの最後の会話劇が切な過ぎる
組織のメンバーが連行されていくなか、「どうして(自分を)撃たなかった?」と誠司に問われたミズキは、「俺には…無理でした」と苦笑い。「撃てるわけがありません。すべてがうそだとは思わなかった。誠司さん、俺だって救ってもらったことが何度もあった」と告げた。
それに「お前は命の恩人だな」と返す誠司。「そのこと忘れませんか」とミズキが言うと、「忘れるわけないだろ」と。「また記憶を失っても?」とミズキが続けると、「あぁ」と誠司はうなずいた。
そしてミズキは連行されていくが、誠司が呼び止め、「ミズキ」と呼びかけるも言葉が続かない。するとミズキは「そんな顔しないでくださいよ。一つだけ良かったことがあります。もう誠司さんを疑わなくて済みます」と言い、誠司も「俺もこれからお前のことを裏切らないで済む」と語った。
ミズキは「もし、もしいつか俺がこの街に戻ってこれたら、また一緒にハンバーガー食いませんか?」と願ったが、誠司は「それは無理だ」ときっぱり。「勝呂寺誠二はもういない」からだ。
「そうでした」と言ったミズキの悲し気な瞳に胸が締め付けられた。築き上げたと思っていた絆が打ち砕かれた瞬間だったが、“誠司”ではなく、勇太は職務を全うしたのだ。
犯罪組織を率いて罪を重ねた者であっても、中川が苦悩や葛藤も抱えているところを丁寧に演じたゆえか、ミズキに気持ちが入ってしまった視聴者も多い。TVer限定で配信されているこの物語の前日譚であるエピソード0でハンバーガーを食べている誠司とミズキの仲睦まじさが魅力的だった。最終回の「すべてがうそではない」というせりふがその関係を物語ると同時に、終わりを迎えなければならない2人の会話劇は切な過ぎた。
SNSには「胸が張り裂けそう」「どれだけ慕い合ってたかと思うと胸が苦しいな」「ミズキとの最後にウルウル」という感想のほか、「一緒にハンバーガー食べる未来を…」「誠司とミズキの5年間のドラマが見たくなる」とスピンオフを望む声も多く寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部