視聴者騒然、「ナナミン」「野薔薇ちゃん」のショック
終盤に入ると物語は急加速して様々なワードがトレンド入りしたが、中でも視聴者の胸を強烈に抉ったのは「ナナミン」「野薔薇ちゃん」が示す、七海と釘崎野薔薇(CV.瀬戸麻沙美)の衝撃的な最期だった。虎杖にとって耐え難い仲間の死。そして、七海、釘崎を大切に扱うからこそ絵の壮絶さとは反対に、2人の死は非常に丁寧に扱われていた。
「ダメだ」を逡巡しながら三度繰り返し、大きな溜めのあとに「あとは頼みます」と、虎杖の強さを信じるように伝えた七海の葛藤と真摯な優しさ。「悪くなかった」と笑顔を作り、後悔のない最期を迎えることで虎杖に呪いを残さなかった釘崎の強さ。あえてだと思うが、原作ではこの残酷なシーンでのコマ数は多くない。それをさらにあえて、アニメでは声優の声の力も借りながらしっかり真正面から描き切ったことに、悲鳴だけではない大きな反響が寄せられていた。
突然の困惑「高田ちゃん」、待ってましたの「お兄ちゃん」
真人(CV. 島崎信長)との戦いに突入し、物語はついに佳境というところで全てをかっさらっていったのは東堂葵(CV.木村昴)の「高田ちゃん」。しかも2週に渡ってだ。黒閃時の高田ちゃんパワーはまだ分かる(分かってはいけないが)。しかし、原作ではわずか1コマでしかないペンダントが開くシーンをキャラソン付きの高田ちゃんタイムにしてくるとは誰も予想はできなかっただろう。真人の時間すら奪ったこの恐ろしいペンダントは、視聴者たちの間で特級呪具だと認定されるに至っていた。
タイトルの「変身」から真人の変身回になるのは読んでいたが、まさか東堂までもが変身するとは全く思っていなかった。アニオリの遊び心というところだが、ここでわざわざネタに走ったのは、直前までの大きな喪失感と絶望感を緩和させるためだったのかもしれない。その意味では逆に脹相が生んだトレンドワード「お兄ちゃん」は、原作ファンには「待ってました!」というネタだった。術式特性から虎杖が血のつながった弟だと知った脹相は、「どけ! 俺はお兄ちゃんだぞ!!」「全力でお兄ちゃんを遂行する!」「違う、お兄ちゃんだ」と名言を連発。全国の兄弟にお兄ちゃんのかくあるべき姿を焼き付けてくれたのだ。
全23話に渡って放送された中では、他にも様々なトレンドワードがXに上がっていた。最終回では「死滅回游」はもちろん、「乙骨憂太」関連のワードが複数上がり、ファンの期待値の高さを示すものとなっていた。きっと思い出されるワードやシーンは視聴者それぞれで異なるだろう。余韻に浸りながらも改めて観直してみるのもいいし、この先の展開がどうしても気になるという方は、一足先に原作をチェックしてみるのもいいかもしれない。
※島崎信長の崎は正しくは「たつさき」
■文/鈴木康道
▼ABEMAで「呪術廻戦」を見る
https://abema.tv/channels/abema-anime-2/slots/A5cqXaepAkQGHV
▼Disney+で「呪術廻戦」を見る
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/jujutsu-kaisen
▼Huluで「呪術廻戦」を見る
https://www.hulu.jp/jujutsu-kaisen2
▼TVerで「呪術廻戦」を見る
https://tver.jp/series/srsduvjouw
東宝
発売日: 2023/12/20
東宝
発売日: 2024/01/24