倫子に届かぬ家治の気遣い
倫子は、ひどく家治におびえていた。それは、幼い頃に一度だけ会ったことのある家治が「蛇のように冷たい目をしていた」からだった。再会後も、その目は変わらず、婚儀の時も、一度も目を合わせることがなかった。
一方、家治も倫子に対し、少し態度が冷たく思えた。しかし、倫子に不器用な気遣いをする場面もあった。例えば、家治がびりびりに手紙を破ったシーンだ。「大奥」のしきたりに背いた倫子を罰すれば済むものの、わざわざ破ったのには、手紙を読んだ倫子が傷付かぬためだったのではないだろうか。
また夜伽のシーンでは、大奥から逃げ出そうとした倫子に何か理由があると察し、色気のない女子は抱かないとわざと言い放った可能性もある。考えれば考えるほど、家治の倫子への言動に全て意味がある気がしてくる。
それでも、現段階では、倫子にとって家治も「大奥」の女性らも同じく、自分を苦しめる存在であることは間違いない。Xでは、家治の不器用すぎる気遣いに、「言い方よくないよ!」「倫子にはその優しさ届いてないよ!」「本当は優しいのか…?」という声が上がった。
一方で、さまざまな試練が待ち受けている倫子に対し、「頑張れ…」「この地獄で生き抜けるの?」「しんどい」と同情をする視聴者が続出し、「#フジ大奥」がトレンド1位を獲得した。
◆文=ザテレビジョンドラマ部