ヤクザ×中学生の関係性に苦心「カラオケのシーンとかは距離の詰め方が難しくて」
歳も住む世界も違う狂児と聡実の二人の唯一無二の関係性を尋ねられると、「リハーサルからずっと時間を共にしてきて、ヤクザと中学生なので噛み合っていけないのがベースにあって、マンガでは聡実くんの心の声が成立させているんですが、映画なので、ストイックに心の声を使わずにやりました。噛み合ってなくて、お互いカットかかった後不安じゃないですか。なのでなるべく近くにいましたよね。“大丈夫、皆で作っているから、みんなで船を漕いでいるから、ひとりじゃないよ”ってね」と綾野が撮影時を振り返ると、齋藤も「言葉ではあまり伝わらないかもしれないのですが、本当に心強くて…心強かったですよ!」と重ねてアピールした。
そんな齋藤に、「カラオケのシーンとかは距離の詰め方が難しくて、役者である以上役みたいに詰めていきたい、でも、空気感として、齋藤潤とやべきょうすけとしてどう近づけていいか、どうしようっていうのは結構迷いましたよね」とやべが現場でのエピソードを明かすと、吉永も同意。そんな現場での空気を、「特殊なムードが織り混ざっていたんですよね。潤くんは当時、岡里美と同じ境遇で、岡聡美と、“齋藤潤という役者”がこの作品しか残せないもの…その魅力を一度たりとも見逃さないようにという想いが終結した現場だったんですよね」と綾野は表現した。
やべきょうすけ、吉永秀平らが歌を披露
そして、やべや吉永、チャンスらがKing Gnuの「白日」、桑名正博の「月のあかり」、米津玄師の「Lemon」を披露した。また、狂児が劇中で歌う「紅」歌唱シーンを皆で見たりと、楽しい時間を過ごした。
最後に、綾野が齊藤に「一緒に行こ!」と映画に誘うという「映画行こ!」の展開に。「現場撮影中に綾野くんと、今回は聡実くんの話で、映画の軸は聡実くんなので、どうやってその軸を作って引っ張っていくかを話していました。出来上がったものを見ると、その結果を皆が喜んでくれて、気に入ってもらえていて、綾野くんが狙っていたことが形になっていて僕も満足してます。その熱量はスクリーンで、音楽映画なので音楽も含めて是非スクリーンで見てほしいです」と山下監督が話し、イベントは幕を閉じた。