趣里がヒロインを務める連続テレビ小説「ブギウギ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。2月7日放送の第89回で、いよいよ“あの曲”の誕生の瞬間が描かれた。思いついたメロディーを慌てて紙ナプキンにメモする羽鳥(草なぎ剛)の姿に、視聴者からも興奮の声が上がった。(以下、ネタバレがあります)
福来スズ子に最高の一曲を…難航する曲作り
「ブギウギ」は昭和の大スター・笠置シヅ子をモデルにしたオリジナル作品で、歌手・福来スズ子の波瀾(はらん)万丈の人生の物語。第19週「東京ブギウギ」では、スズ子が愛助(水上恒司)の死を乗り越え、育児に奮闘しながら歌への情熱を取り戻していく過程が描かれている。
最愛の人の死と愛娘の誕生、さらに愛助の母・トミ(小雪)との和解…激動の数カ月を経て、スズ子はもう一度、歌いたいという思いを取り戻した。その過程をすべて見てきた羽鳥だけに歌手・福来スズ子への思い入れもいっそう強く、いざスズ子から「もう一度、ワテを助けてください」と新曲を依頼されたものの曲作りは難航した。
「悪いけど紙ナプキンくれる?大至急」
そんなある日、列車に乗った羽鳥が目にしたのは、戦争の傷跡を色濃く残した人々の姿だった。みな肩を落とし、疲れ切った様子だ。戦後を生きる人々の復興ソング、そんなイメージが浮かんだ次の瞬間、羽鳥の頭の中にメロディーが舞い降りた。列車のジョイント音が軽快なリズムを作り出す。
その場でメロディーを書き留めたいが、書くものがない。列車を降りた羽鳥は近くの喫茶店に飛び込み、興奮気味に「悪いけど紙ナプキンくれる?大至急」と頼むと、受け取った紙ナプキンにわき目もふらず鉛筆を走らせ始めた――。
NHK出版
発売日: 2024/01/25