幸せの絶頂から絶望へ…
田邑は、由美子への思いが止められなかった。学校だということも忘れてキスをしようとしてしまう。高校生の田邑が、世界には自分らだけなのではないかと錯覚してしまってもおかしくなかった。
そんな空気に少し流されながらも、由美子は教師として、田邑を諭す。しかし、時すでに遅く、田邑の同級生であり、田邑へ好意を抱いている真奈に見られてしまっていた。
次の日、田邑が学校へ行くと、教室に登場したのは、高校の校長・滝川(稲沢朋子)だった。ざわつく生徒らに、滝川は由美子が一身上の都合で学校を辞めたことを報告する。驚いた田邑は由美子に数件のメッセージを送るも、そのどれにも返信はなかった。
田邑は真実を知りたいと考え、教室を出た滝川の後を追う。滝川は、田邑に向かって「あなたが田邑さん?」と聞き、心配しないで教室に戻ることを指示するのだった。焦る田邑をあざ笑うかのように、携帯電話からは無機質な声だけが聞こえていた。
田邑に突き付けられたつらい現実
田邑は由美子と過ごした国語準備室に足を運ぶ。すると、そこへ生徒指導教師・田沢(古本新乃輔)がやって来る。田沢は、田邑におまえも災難だったなと声を掛け、教師としての由美子を下げるような発言をする。
そんな田沢に田邑はどういう意味かと問う。すると、田沢は由美子が責任を学校を辞めたことを明かす。田邑は由美子が悪くない、自分が全て悪いと訴える。しかし、田沢はこれは大人の問題だと話し、生徒と教師では立場が違うと田邑に突き付けるのであった。
由美子と二度と会うことができないと知った田邑は、静かにその現実をかみ締めている様子だった。そんな田邑に、さらにつらいことが起こることになる。