暴走する獣の“鼠”、武蔵に新たな要求をする
その後、武蔵が山猫の正体をついにつかんだ。山猫の仲介役だった北見がその地位を継いでいたのだ。さらに、これまで怪しかった警察官・綾部(吉田健吾)が北見の養子だったことも判明した。
北見も自分が山猫であると認めた。それにより人質の部屋に仕掛けられた爆弾は止まり、武蔵は人質の解放を求めた。ところが、北見と武蔵の姉・二葉、天童の秘書・宇和島健介(濱津隆之)、客室乗務員・庭瀬美月(結城モエ)は解放されなかった。龍の面をつけた悠月は「まだ知るべき真実がある」というのだ。
相手側に最初から動きが読まれていたと怪しむ武蔵。獣たちの面と同じ種類の“犬”の面がさくらのかばんに仕込まれたことを考えても、「獣が俺たちの近くにいるかもしれない」とさくらに耳打ちする。
そんなとき、武蔵の妻・裕子を連れ去った謎の男で、獣集団の“鼠”であることが前回分かった大河が、どこからか奪っていたデータを開き「山猫は北見じゃない…」とつぶやいた。
一筋縄ではいかない事件にドキドキ感が増すが、そんな大河が驚きの行動を見せる。獣の配信チャンネルを乗っ取り、裕子の首に爆弾をつけた姿をさらして武蔵に「お前の妻は1年前、ある罪を犯した。夜明けまでにその罪を明らかにしろ」と告げた。
実は空港占拠の1カ月前、獣たちは空港の建設を取り仕切った建設会社会長・白河(俵木藤汰)、空港の顧問弁護士・米沢(長田成哉)、横浜署署長・川越(片桐仁)、天童、そして“山猫”こと北見のうそを暴くと話し合っていた。悠月は、うそを認めた者は解放し、そのあとの裁きは社会にゆだねるとしていたが、大河は「生ぬるい」「俺たちは獣(けもの)じゃなかったのか」と指摘。それに悠月は「“獣(けだもの)”にまで落ちるつもりはない」と言い放った。
それにより大河は獣集団から抜けることになり、これまでの単独行動は暴走だったのだ。
夜明けまでは3時間30分。愛する妻の命がかかり、これまでのお決まり「うそだろ!」ではなく、「許さねぇ」とさらなる怒りに震える武蔵。
獣たちが暴こうとしてきたのはすべて空港建設に関わることだ。天童が武蔵に打ち明けていた「あそこはただの空港じゃない」ということも気になる。そんな中で心臓外科医である裕子の罪とは何なのか。
以前、大河は裕子に「お前は俺の愛する人を殺したんだ」と語っていた。考察の観点からみると、第2話で描かれた白河のうそのとき、犠牲になった秘書だった女性の家族構成の画面で、弟が大河という名前であることが映し出されていた。それに関連するのか、もしくはまた別のことがあるのか。次回放送に向け、考察熱が高まる展開となった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部