ビジュアルは「今の若い世代に合わせたスタイル」を意識
――外見や立ち振る舞いなどの役作りで意識したことはありますか?
田中:私は、由良ちゃんに寄せるために黒髪にしてほぼツインテールにしていたのですが、エクステが意外と重くて大変でした。メークもピンク系を意識したり、ネイルも原作の由良ちゃんと同じネイルにしたりしました。
飯島:学校でもひときわ目立つキャラクターだったよね。座っているだけでも存在感がすごかった。
田中:ありがとうございます。衣装合わせの時にいろいろな地雷系のお洋服があったのですが、今の若い世代の子たちに合わせたスタイルにしようとなって、なるべくナチュラルなお洋服にしました。でも、撮影中に私と同じような格好をした一般の方が現れて、「ほんとにおるんや」と思ってびっくりしましたね。
自分の地雷系メークの姿を見て最初は結構違和感があったのですが、不思議なことに、由良ちゃんをどんどん知っていくにつれて、逆にこの格好じゃないと生きていけないというくらいしっくりきていた感じはします。
飯島:自然に着こなしていて、現場でも「さすが田中美久!」と評判でした。誰も似合わなそうなカチューシャも着こなしていてすごいなって(笑)。僕は英語教師の役なので、教師の振る舞いとして、発音よく、分かりやすくということを意識しました。あと、由良に対する動揺とかはなるべく出さないように、普通に授業をするようにして、学校生活以外のシーンでも大人の佇まいを意識しましたね。
――由良はかなり強烈なキャラクターですが、共感できた点はありますか?
田中:演技が終わった後に「私は何をやっているんだろう…」と思うこともあるのですが、由良は感情に正直なので、自分が欲しいものに真っすぐなところは私も少し似ているのかなと感じています。私も正直に生きていて、うそが嫌いだし、真っすぐ生きたいし、自由が大好きなので、そういう部分は似ているなと思いました。
また、私はアイドルになりましたが、元々たくさんのコンプレックスを抱えて生きていたので、由良ちゃんがコンプレックスがあって今もそれを抱えて生きているというところには共感できました。
――お互いの印象を教えてください。
飯島:クリスマスの時期にスチールを撮ったのですが、その時に初めてお話しさせてもらって、「ふわっとした方だな」という印象がありました。クリスマスプレゼントを全員に用意してくれていて、みんなで歓喜しましたね。それぐらい本当に優しい方ですが、そこから撮影を重ねるごとに、日に日に目が怖くなっていきました(笑)。
田中:飯島さんは、いろいろなお芝居をされている方なので、本当に支えになっていました。スチール撮影の時から、「もっとこうした方がいいんじゃないか」といろいろなことにこだわっていて、その姿を見て私も頑張ろうと思えました。
裏ではとても仲良し「初めてお酒で記憶をなくして…(笑)」
――工藤役の森愁斗さん、舞役の宇垣美里さんとのエピソードがあれば教えてください。
田中:宇垣さんとはこのドラマですごく仲良くなって、クランクアップした次の日に2人で鍋を食べに行きました。それで、初めてお酒で記憶をなくして…(笑)。本当に申し訳なくて、翌朝謝罪の連絡をしたら、2月にお昼に和食を食べに行くことになりました(笑)。本編ではバチバチなのですが、裏ではとても仲良しです。
飯島:僕は逆に、現場の“女子会感”が半端ないから、あまり邪魔しないようにしていました。余計なことを言わないでおこうと(笑)。でも、たまに皆さんがおいしいご飯屋さんの話とかをしていたら、どこのお店か聞いて、盗めるところだけ盗んで…という感じでした。
田中:森さんとは、口にガムテープを貼るシーンなどいろいろ衝撃的なシーンがあったのですが、森さんのファンに怒られないかなと思いながら演じていました(笑)。でも、森さんも意外とノリノリでやってくれるのでやりやすかったですね。見ていて愛されるキャラクターだなと思いました。
飯島:工藤も結構狂っているよね。僕と直接2人でやり取りするシーンはないのですが、現場が一緒だったりした時、本当に程よい気持ち悪さが出ていて、これは森さんじゃないとできないなと遠くから見て感じていましたね。愛くるしかったです。
――撮影中、印象的だった出来事はありますか?
田中:私が、舞先生に「泥棒猫」というせりふがあったのですが、間違えて「いたずら猫」と言ってしまってNGを出したことがありました(笑)。
飯島:そんなことがあったんだ(笑)。現場は本当に和気あいあいとしていて、カメラが回っていない時は作品とは違って明るい話が多かったですね。僕は、宇垣さんとふざけてずっとカバディをしていました。
僕が行く手を止められるシーンが多くて、最初宇垣さんが止めてくる時、絶妙にダサいポージングだったんですよ。それで、僕が避けていったらなぜかカバディが始まって、そこからそういうシーンの度に2人でふざけて、監督にちょっと怒られるという(笑)。
リラックスできるところはなるべくリラックスしながらも、重たい感情を持つシーンが結構あるので、その時は皆さん静かに現場を作っていましたね。
――最後に、見どころと視聴者に向けたメッセージをお願いします。
田中:すごくいい作品になったなと自分でも思っていて、放送が楽しみな気持ちでいっぱいです。たくさんの方の心を動かせる作品になったらいいなと思います。
飯島:カップルとかでは見ないでください(笑)。というのは冗談ですが、それくらい刺激的で、誰もが夢中になれる作品ですので、多くの方にこの作品の魅力が伝わったらいいなと思います。ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。