元晴見オケの団員だった小村が初のリーダーライブを計画
小村は、かつて晴見フィルに所属していて、数多くの楽器を担当した経験を持っていた。足りないパートがあれば、小村がその楽器を演奏してカバーしていたらしく、「晴見のマルチプレーヤー」と呼ばれていた。
演奏経験のある楽器は、クラリネットに始まり、フルート、トロンボーン、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、さらにファゴットやティンパニ、マラカス、カスタネットなど、全部で22種類。
そんな小村が77歳の喜寿を記念して「二朗生誕祭」と題した初のリーダーライブを開催することを明かした。
リーダーライブに向けて猛練習中に小村が倒れてしまう
22種類の楽器を全部演奏すると息巻いていたが、それだけの数の楽器を練習するのはなかなかままならない。そんな小村に瑠季が「楽器一つに絞ろう。覚悟決めな。どの楽器が一番やりたいの?」と言われ、小村はクラリネットを選んだ。
楽器をクラリネットに絞り、ホセ・ラカジェ作曲の「アマポーラ」を練習する小村。俊平や瑠季ら晴見フィルのメンバーたちが付きっきりで練習に立ち会い、いい感じになってきた。
しかし、頑張りすぎたのか、小村は練習中に倒れてしまい、入院することに。リーダーライブは本人不在、違う内容で行われようとしていたが、俊平が何かひらめいたらしく五線譜に音符を書き込んでいった。
俊平がひらめいたアイデアは、小村が入院している病院でコンサートを開くということだった。車椅子に乗った小村ももちろん参加。クラリネットの主旋律が途切れそうになると、他のメンバーがそれぞれの楽器でフォローし、全員の協力によって「アマポーラ」の演奏を完走。
見に来ていた響(芦田愛菜)は、大輝(宮沢氷魚)が言っていた「マエストロが教えてくれたんだ。『音楽は人の心を救うことができる』って」という言葉を思い出していた。
“散りオケ”だから出来ることを早速実行した俊平。この日の演奏が、閉ざしていた響の心を開くきっかけになるのかもしれない。
◆文=ザテレビジョンドラマ部