「言葉にしてくれなきゃわからない」
本作には恋愛関係のみならず、人間関係全般において大事なことが描かれている。第9話のテーマはいわば、「大事なことは言葉にして伝えないと伝わらない」ということだろうか。心の中で相手の気持ちを推測し、勝手に気まずくなっていた湊と六角はしっかりと向き合い、話すことでわだかまりが解けた。一方、安達は伝えるべきことを伝えなかったことで黒沢との間にすれ違いが生じてしまう。
ある日、部長に呼び出された安達。黒沢とのことがバレたんじゃないかとビクビクする安達だったが、部長から意外な仕事の話を持ちかけられる。それは長崎支店の立ち上げに言ってくれないか、という誘いだった。待遇も今より遥かによく、安達はなぜ俺に……?と戸惑いを隠せない。
おそらく今までは「俺なんて」と自分を卑下してきた安達だが、黒沢に惜しみない愛を注がれ、自分を肯定されたことで自信が出てきたのではないだろうか。以前よりも仕事に対して前向きな安達を見て、部長もこれなら大きな仕事も任せられると思ったのだ。
突然の栄転に驚きと喜びでいっぱいの安達。しかし、長崎に行けば、黒沢とは遠距離恋愛になってしまう。黒沢と離れるなんて安達には考えられなかった。なぜなら、触れられる範囲にいなければ、安達は黒沢の気持ちを知ることができないから。黒沢が何を思い、何を望んでいるのか。これまで恋愛経験のない安達にとって、その心を覗けないとなったら、どうしていいかわからないのだ。
安達が黒沢に転勤の話をできないまま数日が過ぎてしまい、結果的に黒沢は上司の朝比奈(CV:安元洋貴)からそのことを聞かされる。朝比奈は安達からどうしたら転勤の話を断れるかと相談を受けたという。安達が自分に相談せず、一人で決断したことにショックを受ける黒沢。「そんなに俺って頼りないのか 信用できないのか」と黒沢は、いつもの優しい笑顔ではなく、やるせなさや悲しみでいっぱいの表情で安達に迫る。
そんな時でも黒沢が望む言葉をかけようと必死にひねり出そうとする安達。「黒沢の心の声が聞けないと不安」。黒沢が本当に望んでいるのは、安達が飲み込んでしまった本音なのに。「言葉にしてくれなきゃわからない」という黒沢の一言が胸に響いた。
安達と黒沢がお互いを大切に思うがゆえの苦しい展開に、視聴者からは「長崎…遠いよなぁ…」「スウィートオフィスラブからのすれ違いの温度差と緊迫感がスゴかった」「安達が転勤になると、黒沢に会えないから直に触れられなくて、心の声が分からない…というのが切ない」「早く気持ちを伝えあって、仲直りしてほしい」「安達くん頑張って…!!」という声が上がった。
◆文=苫とり子
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スクウェア・エニックス
発売日: 2022/04/21