雨は太陽との約束を果たす
そしてラストはその数年後。雨はパティシエとして自分の店を開く夢を叶えていた。それは最後に太陽が願った未来の約束だった。
パティシエとなった雨には太陽との思い出がたくさん詰まっていた。「私の最高傑作ですから」と自信に満ちあふれた笑顔でお客に差し出したマカロンは、奇跡で味覚がなくなったときに太陽に食べてもらったもの。雨が着るコックコートの上から二つ目のボタンは、第4話で太陽のコートから内緒でもらったもの。それは高校卒業する太陽から第二ボタンをもらい損ね、代わりにマーガレットの花束を買ってもらっていたという思い出に由来。そのマーガレットも店内に飾られていた。
そして店名は「SUN&RAIN」、太陽と雨だ。その店先を雨が濡らした。これは、夢がかなったときに天国から心をこめて雨を降らせるという太陽の約束。雨は笑顔でその約束に含まれていた太陽の母の形見でもある赤い傘を差し、笑顔を見せた。
本作が始まったときタイトルは太陽目線だったが、この最終回では雨目線になった。前回までで視聴者の多くが願っていた2人が幸せになる結末は必ずしもかなえられたわけではないけれど、雨の最後の笑顔は幸せそうだった。
3カ月にわたって見届けた奇跡のラブストーリー。当初の「毎週泣くことになる気がする」はその通りで、ラストもSNSには「涙腺崩壊」「涙腺やばい」と上がった。また「これから生きる『時間』と『心』を大切にしたいな」「今生きていることを考えさせられる」という声も上がり、タイトルがトレンド入りする反響となった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部