優しい母親役からサイコパスまで怪演
近年ではドラマ「ムービング」に初の母親役として出演したことも話題になったが、同じ2023年に公開された映画「毒戦 BELIEVER 2」では、見事な悪役に変貌を遂げた。「毒戦BELIEVER」(2018)の続編となる本作は、謎の存在“イ先生”を巡り、麻薬捜査官たちが犯罪組織を倒すための決死の潜入ミッションを描いたノワールアクション作品。
ヒョジュはいわゆるヴィランとして物語に登場。組織の“掃除係”に扮し、不気味な表情で惨殺するクンカルを怪演した。また、クンカルの外見は、ボサボサの髪の毛に大きなメガネをかけ、内心には何をやらかすか分からない不安定さを抱えており、一言で表すなら“ヤバい女”。おぞましい狂気さえも感じさせるクンカル役は、これまで“清純派女優”として知られてきたヒョジュのイメージを一気に覆す“良い結果”となっただろう。
そんな彼女は、最新作「支配種」で国際企業・BF社のトップに君臨するジャユを演じている。
「支配種」は、近未来の2025年を舞台とした作品。韓国大統領を狙ったテロで多数の死傷者が出てから数年。ウ・チェウン(チュ・ジフン)は事件の犯人を追い詰めるため、独自の捜査を続けていた。そんなある日、チェウンは人工培養肉を世界に提供する国際的企業BF社が大統領テロ事件以降記録的な利益を上げていること、そしてそのCEOのユン・ジャユがテロ事件の生存者であることを知る。
チェウンはボディガードとして謎に包まれたジャユに近づき、組織に潜入することに成功。事件の真相に迫ろうとするが、そこで世界を揺るがす秘密を目撃することとなる――という物語。
ヒョジュが演じる“絶対的なトップ”としてのカリスマ性を放つジャユは、大統領テロ事件の生存者としての顔も持つミステリアスな存在。最新話では、そんなジャユを不審に思い、意図的に近づき始めたチェウンの姿も描かれており、2人の心理戦にも注目したい。
厳しい韓国エンタメ業界にて、キャリアを重ねていく度に、自らの殻を破ってきたヒョジュが今回どんな顔を見せてくれるのか、常に挑戦し続ける彼女だからこそ楽しみにしている視聴者も多いはず。
難解な謎が隠され、一筋縄ではいかない物語は開幕したばかり。おそらくいたるところにちりばめられた伏線、そして複雑に交錯する各キャラクターの秘密がこの先どう絡み合っていくのか目が離せない。
ドラマ「支配種」(全10話)は、ディズニープラスで毎週水曜2話ずつ独占配信中。
◆文=suzuki
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/blood-free/
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