またもや兄・シンゴが帰還し、タツヤに災が降り掛かる
進学を諦めて就職したタツヤのことを気にして、アキオはより無理して働くようになり、体を壊して入院してしまった。母・しのぶがアキオの同僚に頭を下げてお金を借りたり、タツヤも給料を前借りしたり、夜中のバイトをしたりして、200万円近くが集まった。
アキオが入院している間にもシンゴはしのぶに金の無心に来ていたようで、手術代などで40万円ほどかかったが、残りの金を出すようにアキオに言われてしのぶが出したのが千円札2枚と少しの小銭だけ。残りは全部シンゴに渡してしまっていた。
タツヤいわく「その時のアキオさんの目。怒ってるでもなく、悲しいでもなく、今初めて会う人を見るような目つき」で、それ以降、口を一切きかなかったという。そこからはアキオの気持ちが絶望を超えたところにいってしまったのが感じられる。
借金を返済して、これからという時に現れた兄・シンゴ
アキオが愛想を尽かして出て行った後、母も気持ちを入れ替えて、スーパーのパートをはじめ、清掃の仕事や内職もやるようになった。タツヤもバイトを掛け持ちして、6年がかりで借金を返済。
ようやくマイナスの状態から抜け出せるという時に、タイミング良くというか、タツヤにとってはタイミング悪くだが、シンゴがまたまた街にやってきた。刑務所に3年入っていたというシンゴは“すっかり生まれ変わった”とタツヤに言うが、もちろんそんな言葉は信じることはできない。しかし、しのぶは今回も手放しで大歓迎。
ここでタツヤに悲劇が。母と弟と妹と自分の家族4人でオートロックの高級マンションに引っ越すことを目的に、タツヤは母に内緒で貯金をしていた。その通帳をシンゴに持っていかれるんじゃないかと心配するタツヤに、将棋仲間のたんば(ベンガル)は、誰彼構わず小言を言わずにいられない大家を描いた「小言幸兵衛」という落語の話を伝えた。
タツヤの気持ちが母には届かないもどかしさ
たんばの「(引っ越すことが)お母さんにとって本当に幸せならね」という言葉にハッとさせられたタツヤは、お金はまた貯めればいい。今回は兄にそのお金を渡してあげようという気持ちに。
そんな折、警察がやってきて、シンゴが刺されて病院にいると知らされ、タツヤは急いで駆けつけると、所持品の中にタツヤの通帳があった。なんと、しのぶが通帳を勝手にシンゴに渡していたのだった。
母・しのぶにとって、シンゴは離れていてもいつも心配してくれている“親おもい”の優しい息子。一方、タツヤはコソコソ貯金して、自分一人だけ良ければいいと思っている身勝手な息子。
本当の気持ちを口に出して伝えることもできないくらいにショックを受けたタツヤ。この時のタツヤが、入院していた時のアキオと重なって見えた。
もどかしさだけが募る展開に、SNSでは「兄の方が優しいって言われるのは納得いかない」「タツヤは自分だけでも幸せになったらいい」「心がギュッとなった。つらい」「この母と兄からは逃げるのが大正解。早く逃げて」と、タツヤを思うコメントがあふれていた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/a-town-without-seasons/
▼ディズニープラス特集ページはこちら