ヴェルドラの凄さ&ヒナタの頑固さに反響
そんな折り、ルミナスの代わりに魔王を名乗っていたロイ・ヴァレンタイン(CV:水中雅章)が殺されたことが分かる。ロイの双子で法皇のルイ・ヴァレンタイン(CV:水中雅章)とヒナタは、「魔王達の宴(ワルプルギス)」から帰還したルミナスを交えて現状を整理し、今後の対策を検討する。新たな魔王となったリムルを警戒し、その盟友であるヴェルドラ=テンペスト(CV:前野智昭)を倒すことを進言するヒナタだったが、ルミナスは「ヒナタはヴェルドラには勝てない」と説く。ヒナタはさらに、リムルの存在が天使の侵攻を早める可能性があると指摘するも、ルミナスは今は傍観するほかないと結論づけるのだった。
中庸道化連に続き、ルベリオスでも魔王となったリムルへの対策会議が開かれたが、ここでも結果は同じで「傍観」。自陣営の力を削られたために静観を決め込んだ中庸道化連とは違い、こちらはヴェルドラの圧倒的な力に対する警戒が強く、下手に手が出せないといった雰囲気だ。またこのシーンで面白いのは、ヴェルドラへの評価の高さと、それに挑む気満々のヒナタだろう。ルミナスはヴェルドラのことを「あれは自然エネルギーそのもの」と評するなど、魔王クラスから見ても脅威であることを認めてヒナタに自重を求めるも、そのヒナタは心中「万が一の場合は私が斬る」と考え、拳をギリっと握りしめるのだ。自分の信念を貫き通す、猪突猛進な性格であることが伺えるシーンで、SNSでは「ヒナタでも勝てないと言われるヴェルドラのヤバさよ」「ヒナタ、絶対に自重しなさそうw」など、ヴェルドラの凄さとヒナタの頑固さにコメントが集まっていた。
王国貴族たち、舐めプ発言から一気に絶望へ
一方ファルムス王国では、テンペストから突きつけられた終戦協定について会議が開かれていた。リムルやヴェルドラの力を軽んじている貴族たちは「戦争継続」を支持するも、リムルがクレイマンを倒して八星魔王(オクタグラム)となった報せが届くと、おし黙ってしまう。こうしてファルムス王国は「王の退位&賠償金」の要求に同意し、テンペストと終戦協定を結ぶのだった。
王国での会議シーンは、全体としてシリアスな雰囲気が漂いつつも、まるでコントのような流れで展開していく。リムルやヴェルドラなど恐るるに足らんと息巻く貴族たちだったが、「ブルムンド王国がテンペストを支持する」という旨の書状が読まれると、強気だった貴族たちは一気に動揺し始める。さらに「リムルが魔王を宣言した」との一報が届くと、魔王たちがリムルをボコボコにしてくれるはずという謎のポジティブシンキングを発動。しかし最後には「リムルがクレイマンを倒し八星魔王(オクタグラム)となった」という報告を受け、ここでジ・エンド。新しい報せに一喜一憂する貴族たちの様子がテンポよく描かれており、見ていて気持ちのいい一幕だった。
今回は「魔王達の宴(ワルプルギス)」前後の時間軸における、中庸道化連、ルベリオス、ファルムス王国という各陣営のリアクションが描かれ、まさに「転スラ」が「会議アニメ」であることを改めて見せつけたお話だった。「会議アニメ」と聞くとネガティブなイメージを抱く人もいるかもしれないが、本作の会議シーンは抜群に面白く、これはむしろ褒め言葉である。ではなぜ会議シーンが面白いのかについては、いくつかの理由がある。それぞれの陣営の策略や駆け引き、交渉といったストレートな楽しさはもちろんのこと、会話中にまだ明かされていない事情が隠れていたり、思慮遠謀すぎて理解が追いつかない部分があったりと、視聴者に対する厳密な情報統制がなされているのだ。今回もユウキの「仕掛け」がなんなのかは謎のままだし、「天使」や「天魔大戦」といった新ワードがしれっと登場するなど、本当に気が抜けない。「転スラ」の会議シーンは、油断大敵&うたた寝厳禁なのが魅力で、このままずっと会議を見ていたい気持ちにさせてくれる不思議な魔力があるのだ。さて次回第51話「平和な日々」は4月19日(金)放送予定。期待して待とう!
■文/岡本大介
▼ABEMAで「転生したらスライムだった件 第3期」を見る
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