撮影現場での青木崇高とのエピソードを吐露「関係性が出来上がっていました」
「夫・豊のふとした言葉に“イラっと”する部分は夫婦ならではの共感があったが、実際に現場でも豊を演じた青木さんに“イラっと”した場面などありましたか?」という質問に、石原は「たくさんありました!」と即答。
「劇中で、ニュース番組で使うために失踪してしまった娘の誕生日を祝うシーンを撮影していた時なんですが、音声は使わないので好きには話してください、という演出だったんですが」と振り返り、その時に「来年こそは一緒にお祝いしようね」という思いを募らせていたそう。
そんな中で、青木が「じゃあ、食べようか」とケーキを切ろうとしたというエピソードが飛び出す。「なんか食べようとしてる!」「食べるところじゃないから!」とカットがかかった後にピシャリ。「あそこはどこを撮られても夫婦に見えていたと思う!関係性が出来上がっていました」と笑いを交えて語った。
石原さとみ「人間の弱い部分や汚い部分がとても露出されている作品」
「SNSの誹謗中傷など、今の世の中の問題点がリアルに描かれていて怖くなりました。表舞台に立つお二方はSNSに接する上で、気を付けていることなどありますか?」という質問には、石原は「基本的に見るタイプではない」と回答。
「見たとしても『相当バイアスがかかっている』と思っています。アクションを起こそうとしている人はネガティブなコメントの傾向が強いかなと思うので、コメントが入ってきたとしても中央値としては見ていないです」と自身のスタンスをコメント。
三田は「言葉の伝え手としては、この言葉を選ぶことで第三者はどう受け取るのだろうということは常に考えてきた。その先にいる人のことを感じながら言葉を選ぶようにしています。文字にするときは丁寧な表現を心がけています」と話した。
続けて、「言う人ではなく、言われた人はずっと心に残るものですからね。覚えておかなければと思います」と答えた。
石原は「知り合いだったらすぐに謝れたり、行動しないようなことでも、目に見えない人や分からない人には積極的になれてしまうのが怖いなと思います。ですので、何かアクションを起こすときに、あなたの大切な人だったら? と一瞬でも踏みとどまってほしいなと思います」と熱弁。相手へのリスペクトをとにかく忘れないということを、二人そろって力説する場面も。
最後に、石原から「大切な方がいらっしゃれば、その人のことをよりもっと大切にしたい、愛したいという、当たり前なことに対して感謝ができる作品だと思います。また人間の弱い部分や汚い部分がとても露出されている作品だと思います。普段だったら向き合えない部分に向き合える、映画館で見るからこそ没入できる中で、最後の温かさを感じられると思います」と本作に込めた思いを改めて語り、客席からの温かい拍手に包まれて、イベントは終了した。