仲野太賀「衛藤さんは瞬発力や見せる力がある」
――現場でのお互いの印象はいかがでしたか?
衛藤:太賀くんはもうこのままです(笑)。撮影自体は短かったんですけど、リハーサル期間が長かったんです。クランクインする前に何度もお会いしていたので、そこでお互いのことを知れたのかなって。同い年ですけど、俳優としては大先輩で。現場もずっと引っ張ってくれて、コミュニケーションを取ってもらっていました。
過去に乃木坂46のメンバーと共演されていたりもしたので、そんな話をしたり。「いろいろ忙しいでしょ」と気に掛けてくれたのが、すごくうれしかったです。いい先輩っていう感じですね。
仲野:そんなに先輩じゃないけどね。
衛藤:私は太賀くんのように“コクのある演技”はまだまだできないですから。
仲野:そう言ってくれていますけど、衛藤さんは初めての映画なんていう感じは全然なかったです。それまでの活動で培ってきた瞬発力というか、見せる力があるなと思いました。とにかく性格が明るいので、現場に衛藤さんが来るだけで温度が上がるんですよ。俺が来ても上がらないから(笑)。どうしても撮影が始まるとナーバスになっていくので、衛藤さんの根の明るさには助けられましたね。
――それぞれの役柄の印象はいかがですか?
仲野:足が不自由というハンディキャップがある役は初めてだったので、ちょっと苦戦した部分はあります。でも、自由を奪われているようだけど、逆にその要素から広がる発見もあって。動きに制約があることでこんな気持ちになるんだなとか。そういう意味で、役を作っていく過程でいろいろ考えさせられましたね。
衛藤:こよみはあまり主張をしない人なので、どれだけ普段の私から削って削って演じるかということは意識しました。
私の性格上、あまり考え過ぎると演じられないなとも思いました。もちろん何も考えていないわけではないですけど、その場で感じたものをアドリブで演じることも多くて。決まったせりふはあるけど、それ以外のことも挑戦させてもらえる現場だったので、同じシーンを何テークか撮る時には「その時に感じたことを言おう、その時の自分で演じよう」と思っていました。
2月7日(金)より東京・シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
出演=仲野太賀、衛藤美彩
三浦透子、坂東龍汰、古舘寛治、川瀬陽太
河瀬直美/萩原聖人/村上淳/でんでん
原作=宮下奈都
監督=中川龍太郎
脚本=梅原英司、中川龍太郎
公式サイト=https://kiguu-shizukana-ame.com