DJ KOOインタビュー#1「日本の歴史を作ってきた“オドレルJ-POP”は自信を持っていい!」
「自分が本当にかっこいいと思う曲を使っていけばちゃんとフロアには届く」(DJ KOO)
――そういった誰でも知ってるヒット曲で盛り上がる楽しさがある一方で、2010年代には、DJのプレーを見に来たオーディエンスがいわゆる「大ネタ」でしか盛り上がらないという現象を嘆くDJやアーティストの言葉も散見されました。40年にわたってDJとして活動されてきたKOOさんからご覧になって、そうした状況はどのように捉えておられますか?
DJ KOO:やっぱりDJでプレーする時、僕はとにかく大ネタじゃなくても自分が「これかっこいい!」と思う曲を何百曲の中から1曲セレクトして、そういう風にかけていくこと(が大事)だと思いますね。
僕も今も現役で、しかも「現場のDJ」っていうのがこだわりなので、そこでプレーする曲は、誰も聞いたことがない曲でも、自分でスタジオにこもって、いろんな曲を探していて。一晩かけて200~300曲聞いた中で、ダウンロードしたのは2~3曲とか。
その中で聞いても「これはかっこいいぞ」っていう曲を使っていくことで、逆に大ネタじゃなくても、そこは新しい、そして自分のスタイルにあった音楽はフロアに届けられると思っています。
逆に大ネタを一番有効に、“大ネタ”ですからそれが一番のキラーチューンとして盛り上がるようなかけ方をしていくっていうのが、やっぱり僕の中でのDJ的な意識でもありますね。
――どちらかというと、音楽をかける側のマインドが重要なのであって、そこがしっかりしていればオーディエンスにもしっかり届くという…。
DJ KOO:はい。やっぱり準備というか、そういった心がけじゃないですけれども、それはDJがブースに上がって回すために時間をかけなきゃいけないところだと思いますね。
DJ松永にまさかの共演ラブコール!?
――ジャンルや普段やっておられることも違うので恐縮ですが、昨年Creepy NutsのDJ松永さんがDJ界最高峰の大会「DMC DJ Championship」でチャンピオンになられたことも話題になりました。そうした形でDJという存在が話題になったということはどうお感じになられましたか?
DJ KOO:直接会ったことはないんですけど、やっぱり僕はすごくうれしかったです。ヒップホップDJで僕の後輩のDJ HANGERとかも、昔DMC WORLD FINALに出場したりしていて。
とにかく日本人が世界に通用していく、海外のスタイルを真似していくんじゃなく、今日本のDJが自分たちのスタイルで、あえて日本じゃなく世界の中のDJとしてやってくれていることは、すごく素晴らしいと思いますね。今度僕のYouTubeに出てほしいんですけどね~!(笑)
――この記事を通じて、どうにか松永さんに届くようにお伝えさせていただきます!
DJ KOO:「DJ KOOのYouTubeに出てください!」って…(笑)。
――しっかり書かせていただきます!(笑)
DJ KOO:僕もちゃんとスクラッチ練習するんで!(笑)
――お二人のコラボも見てみたいです。
DJ KOO:僕なんかの時代は、ハービー・ハンコックが「Rockit」という曲でDSTっていうDJを起用して、初めてスクラッチを日本に持ってきた時期だったんですよ。その時は、来日した時にディスコを借り切ってDJがたくさん集まって。そこでDSTのスクラッチをみんなで見る、みたいな。僕はそういうところをやったはしりの時期から見てますから。
(#2へ続く)
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