無観客でも役者のために「僕らはやるぞ!」<舞台版 誰ガ為のアルケミスト>
稽古を積んできた役者たちを舞台に立たせてあげたい
通称“ダガタメ”で知られる「誰ガ為のアルケミスト」は、1000万ダウンロードを突破し、2019年には映画化もされた人気RPG。舞台は2019年6月に初演、9月に再演され、新作となる第2部の今回にも多くのファンが期待を寄せていた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月10日に全公演の中止を決定。代わって「ニコニコ生放送」で電子チケット制生配信を行うことがアナウンスされた。
これについて今泉は、「政府の要請によるイベント自粛。僕らもどうするかを迷っていたが、やるのかやらないのか、不安を抱えさせながら役者たちに稽古を続けさせるのは不健全だと考えました。役者たちが稽古を積んできた期間を無駄にせず、しっかり舞台に立たせてあげたいという気持ちが大きいです」と、真意を明かす。
全15回の公演が予定されていたが、変更措置に伴い、全9公演での開催に。配信であれば一度収録し、それを流し続けるというやり方もあるが、今泉は「全日公演でやらないと、通し稽古一回と同じ気分になってしまうかもしれない。役者たちに“毎日舞台に立つ”ということを保証して、意識させての毎回の生配信です。やっぱり本番は稽古の雰囲気とは違う。ここにお客さんは存在していないけど、気持ちの持っていき方、気持ちを込めた芝居をすることで生まれるもの、磨かれるものがあるんです」と話す。
「役者たちは嫌がると思ったんですよ。目の前の客を沸かせ、そこに自分たちの存在を証明するというのが、舞台に立つ役者の心ですから。けれど、話してみたら意外と乗ってくれて。しっかり舞台を作り上げてくれた役者、スタッフたちに感謝しています」(今泉)
イベント自粛要請を受け、現在も多くの舞台が中止・延期を余儀なくされている。政府は3月11日に、あと10日間程度のイベント自粛を求めたが、実際にそこで自粛期間が解けるのかは不透明な状況にある。アーティストの音楽ライブでは同様の配信方式が増えており、演劇界においても本作が一つのきっかけになるかもしれない。
「大それた使命ではないですが、『僕らはやるぞ』というメッセージになっていけばいいと思います。配信でも変わらず伝えられると信じていますし、舞台に興味がなかった方に届けられる機会になるかもしれない。ポジティブというと少し違うかもしれませんが、試練に対して前向きな考えを持ちたいですね」(今泉)
2020年3月13日(金)~22日(日) ※全9公演
/「ニコニコ生放送」電子チケット制で生配信
【配信URL】https://live2.nicovideo.jp/watch/lv324721532
【HP】https://tagatame-stage.jp/
【Twitter】@tagatame_stage