全米オープンテニスは日本人選手に大チャンス!? 松岡修造「僕が現役選手だったら出場しないという選択肢はないですね」
松岡期待の西岡良仁は「ベスト8に進出してもおかしくはない」
日本人選手では、錦織圭は欠場を発表しているが、男子では西岡良仁、杉田祐一、内山靖崇、ダニエル太郎、添田豪の出場が予定されている。
その中で松岡が期待する選手として名前を挙げたのは西岡。「6月の『チャレンジテニス』で西岡選手の試合を見たのですが、すごく良いテニスをしていました。
何が良いかと言えば、自分から攻撃しているところです。メンタルも強いので、ドローにもよりますがベスト8に進出してもおかしくはありません」と太鼓判。
さらに、ダニエル太郎に関しては、「コーチが変わったこともあり、何かのきっかけでブレークスルーすることができると思います。全米ではそのチャンスがあるのではないでしょうか」と大きな飛躍を期待する。
また、内山には「このような状況になったことは、彼には大きなチャンスだと思います。大会では彼の魅力であるネットプレーやサービスを生かしてほしい」と攻撃的なテニスを期待した。
女子選手では、ランキングトップ10のうちカロリーナ・プリスコバ、ソフィア・ケニン、セリーナ・ウィリアムズ、大坂なおみの4名が出場を予定している。松岡の一番の注目は、やはり2018年の覇者・大坂だ。
「なおみさんのテニスは、ステイホーム期間中も自宅のテニスコートでトレーニングをしていて、状態はいいと聞いています。ただ、試合をやっていないとメンタル面は鍛えられません。
試合から長く遠ざかっていたので、メンタルの部分が心配でもあります」と、一昨年の優勝時のようなメンタル面の強さが出ることを期待した。
「テニス界が今、どのような状況に置かれているか見てほしい」
今回の全米オープンテニスは異例尽くしの大会になるが、試合はどの点に注目すればいいのだろうか。 松岡は、選手の“体力”をポイントとして挙げる。
「コロナ禍でツアーが開催されなかった時期も、選手は練習でフィジカル面での調整はしていたと思います。しかし、練習と試合で大きく違うのは消耗する体力の質です。試合では緊張感やプレッシャーによって、練習以上に体力が奪われるからです。
久しぶりの大会ということもあり、1~2回戦は接戦が多くなるとも思います。最終的には、試合での体力を持っている選手が強いと思います。特に男子の5セットを戦い抜くには、練習では養うことができない体力が必要です」と、大会の展望を明かした。
最後に、松岡は「テニス界が今、どのような状況に置かれているかということを見てほしいですね。そして、そんな中でどのようにこの大会が開催されているか、選手がどのような姿勢で戦うかにも注目してもらいたいです。
きっとその中には、コロナ禍でどのように生きていけばいいのか、どのような考え方をすればいいのかという、大会を見ている方々への今後のヒントも隠されていると思います。どんな状況でもエネルギッシュにプレーしている選手の姿に、まずは感動してほしいです」と熱く語った。