イケテツ主宰、表現・さわやか番外恋愛公演に豪華ゲスト
池田鉄洋が主宰するコメディーユニット「表現・さわやか」。昨年記念すべき10周年公演にて総集編を上演、新たなスタートは番外恋愛公演。このスタイルにしたきっかけは何だったのだろう? 絶賛公演中の作品についてイケテツ(池田)に語ってもらった。
「節目を終えて、いつも通りのことより、今までできなかったことをやりたかった。その一つが恋愛ものだったのです。理由は簡単です。腐れ縁のメンバー同士では恋愛もので、気持ちが入らない。それにメンバー、男ばかりだし!
なのですてきな女優さんをお呼びしての公演をしてみようと思ったのです。番外だからできる公演です。コントともちょっと違う、恋愛短編小説集のような公演なので、このタイトルにしました。分かりやすい、でしょう?」
確かに。メンバーは佐藤真弓以外男性。しかも、佐藤演じるキャラも男性が多い。恋愛ものを上演するに当たり、客演がポイントとなるのも納得がいく。今回の作品はイケテツの小説がベースとなっているという。
「書いたのは5年ほど前でしょうか、短編集のいくつかをベースに舞台化しております。表現・さわやかではちょっと恥ずかし過ぎるファンタジックな話だったり、しっとりとした話が多く、“さわやか”での舞台化は向いていないと思っていました。
しかし、どれも好きな話なので、いつか舞台化したいとは、思っておりました。使った話は三つ、かな。大きく改訂したものもあります。ですがテイストは近いと思います。いつもの“さわやか”より、しっとりです。
今回のラインアップの、幽霊の元カレとの同居話、地下の賭場で勝負する役者の話、ファストフードチェーン店での恋の話、などが短編集『ミックスサンドイッチ』に収録されています」
念願の恋愛もの、イケテツ自身が舞台化したいと思っていた作品に豪華なゲストが集合した。
「鈴木砂羽さんは、“さわやか”の初期の公演から見ていただいて、いつも『出たい』とおっしゃってくださって。ですが、ちょっと尻込みしていたんです。パワフルな女優さんですので、うちらメンバーが太刀打ちできないのでは?と思っていたのです。
ですが、今回の公演なら、また違ったパワーバランスが生まれるだろうと踏んで、満を持してオファーさせていただいたのです。ちなみに前回公演のゲスト出演では、カーテンコールでオファーし、その場でご快諾いただきました。
梅舟惟永さんは映画『マエストロ!』で共演させていただき、魅力的な女優さんだと一目ぼれしました。不思議な魅力の持ち主で、目が離せません。直球でオファーさせていただきました。
浅野千鶴さんは、以前から彼女の所属劇団『味わい堂々』のファンでした。ずば抜けた才能を持った若手女優さんです。かもめんたるさんは、いちファンとして『出ていただけるワケはないけど…』とダメ元でオファーしたのでした。出てくださって本当にうれしい! 緻密な役作りは役者以上。尊敬すべきお二人です。
しかも、皆さまいわゆる小劇場劇団に協力的で、環境がよくない稽古場でも文句なく稽古してくださいました。つまり、かなり優しい。苦労としては、全員の魅力を存分に使い切るには上演時間が5時間あっても足りない。2時間以内に皆さまの魅力を収めなくてはならない、そういう苦労はありました。メンバーとの相性は、よかったです。いつものさわやか感もあります」
10年も続くと、メンバーのおなじみキャラやコントも多い。期待している観客も多そうだが、「今回はおなじみキャラは封印しました。せっかくですからわれわれも新しいことに挑戦しなくてはという気持ちです。
ですが、“さわやか”がお好きな方のために、いつものようなことを、いつも以上に濃く演じるシーンもございます。BLものにも挑戦します。“坊主ラブ”の方ですが…」と、ある意味期待は裏切らない。
「今回は照れ笑い、恥ずかしくって赤面笑い、ため息、苦笑、悲鳴、絶叫。お客さまのいろんな感情を揺さぶる、新感覚なコントになっております。変な汗をかきにいらしてくださいませ。それと、こんなにキスシーンがふんだんにある芝居も珍しいのではないでしょうか?
アクション映画で使った銃弾○○発、とかありますが、今回、キスの数、すごいです」と“さわやか”&イケテツ演出らしい見どころも満載の番外公演。
「いい年した大人の恋愛話は、ちょっと目のやり場に困ります。そんなもの見せられても困る? いやいやそれが、意外にも笑えるんです。新感覚を味わいに、ぜひ劇場へいらしてください!」
東京公演:9月5日~9月13日(日) 赤坂RED/THEATER
大阪公演:9月18日(金)~21日(月祝) HEP HALL
【HP】www.h-sawayaka.com/