本郷奏多「自分は結構この仕事に向いていると思う」
11月7日(土)に全国公開される映画「シネマの天使」に出演する藤原令子と本郷奏多に対談インタビューを敢行。前後編で紹介する。
後編では、お互いの印象や二人にとって“仕事”とは何かを語ってもらった。
【藤原令子「映画館に対する印象が変わりました」より続く】
――撮影期間が短かったとのことですが、撮影を通してお互いの印象が変わったところはりましたか?
藤原:テレビで拝見しているままの方だなと思いました(笑)。これは言い方が合っているのか分かりませんが、不器用な人ですよね。一番長く共演シーンがあるので、お話をさせていただく機会も多かったので分かりましたが、趣味が多い方なんです。「(趣味多いから)何か被っているのもあると思うよ」とおっしゃっていただいて、私の趣味をお伝えしたら本当に被っていることがあったので、意外な一面を発見できました。
本郷:そうかな~、俺は器用な方だと思うんだけど…。あまり人の事、見てないでしょ(笑)。
藤原:え~! そうですか? 不器用ですよ。
本郷:いやいや、手先はスーパー器用だよ俺。
藤原:あ、いや性格が真っすぐじゃないですよね(笑)。
本郷:あ、そういう意味か、ハートの方ね(笑)。
藤原:そうです(笑)。手先じゃなくて。逆に器用過ぎるのかもしれませんね。
本郷:そうかも。求められたことをそのままやりたくないって気持ちは確かにあるよね。
藤原:器用だから何でもできちゃうんでしょうね。だからちょっと…ひ、ひねくれて(笑)。
本郷:ひ…ひねくれ!?(笑) そうか、それが言いたかったんだね。
藤原:(笑)。
本郷:まあ、正解ですけど(笑)。
藤原:当たっちゃいました(笑)。
本郷:(笑)。藤原さんはこの作品まで会ったことなかったですが、全然人に対して気も遣わない人ですね…。
藤原:…あれ?(笑)
本郷:いい意味で、だよ。成功する人って絶対にこういうタイプの人だと思うんですよ。この作品もきっと急に決まったお話だと思うんです。初主演でしたし、それだとみんなどうしよう…って思っちゃうのが普通だと思うんですが、彼女は誰よりも堂々としていたので。あ、この仕事が向いている人なんだなって思いました。(藤原に向かって)最近いろいろテレビで見ていますよ~。
藤原:本当ですか? ありがとうございます! 私も拝見していますよ~(笑)。
本郷:あ、ありがとうございます。まあ、でも、彼女はそんな感じっす。
――藤原さんが演じた役で、「この仕事をしていていいのかな」というせりふがあると思うんですが、これはいろんな人の心に響いちゃう言葉ですよね。
藤原:はい。私も実際同じことを撮影当時思っていましたし、仕事だけじゃなく、内面的なこともそうで、普段生活している時もそういうことを思っちゃうんですよ。
このままでいいのかなと。
しかし、いろいろ考えても結局やるしかないし、実際に今仕事として役者をしているわけだから、やると決めたらやるしかないんですが、そういう答えのないことで悩む人はたくさんいると思います。
――今のお仕事に関して結構悩んでいたのですか?
藤原:この作品が始まったころは、本当にこのまま役者をやり続けていていいんだろうか…、定食屋さんになりたいなと漠然と考えていました。仕事に向き合うことから逃げていた時もありました。でも、向いている、向いていないを判断するのは私たちじゃないですから。やっていて楽しいと思えたら、向いているんだと考えて乗り越えました。
――そのあたり、長年やられている本郷さんはどうですか?
本郷:う~ん、僕の場合は物心がつかないうちからこの業界にいたので、参考にならないかもしれませんが。もちろん一生この仕事をやりたいと思う瞬間はありましたし、その一方で、本当にできるのかと考えたことも何度もありました。
でも、自分は結構この仕事に向いていると思うんですよ。これからはなるべく長く、ミッキー・カーチスさんくらいの年齢になるまでずっと続けていけたら幸せですよね。
藤原:そうですね!ミッキーさんめっちゃ格好いいですから。
本郷:そうそう、めちゃくちゃ格好いいよね!「3行以上俺はせりふを覚えない!」と、声を大にして言う潔さとか、格好いいな~と思います(笑)。この仕事はいろんなタイプの人がいるので、毎回お仕事をしながらいろいろと勉強させていただけます。ひとえに役者と言っても、毎回違う作品(キャラクター)をやりますから。というか、藤原さんは何で定食屋さんになりたいって思ったの?(笑)
藤原:え? ああ、料理が好きだからです(笑)。
本郷:経営じゃなくて? 定食屋さんってどんな店?
藤原:はい。昔から料理が好きなんです。
本郷:学生とかサラリーマンの人が食べにくる、汚らしい店? それとも何かスタイリッシュな店?
藤原:ちょっと! 汚くなりたくてなっている定食屋さんはいないですよ!
本郷:そうかねえ。大衆食堂ってそれが良かったりするんじゃないの? そういうんじゃなくて、「ウチはオーガニックが売りで~」とか言っちゃうこだわり系の店がいいの?
藤原:何か、どっちに転んでも悪い感じに聞こえるんですけど(笑)。
本郷:だって、定食屋さんって何だ?って思ってさ。素朴な疑問ですよ。
藤原:定食が好きで、料理も好きだから何となく思っただけなので、明確な何かビジョンみたいなものはもちろんないですけど。
本郷:そんなに料理好きなんだね。
藤原:っていうか、それ話しませんでしたっけ?
本郷:あれ? もう聞いていたらごめん(笑)。
藤原:いえ、話してなかったらすいません(笑)。
――お二人のやり取りを見て、楽しそうな撮影だったんだろうなって思いました(笑)。
本郷:そうですね。藤原さんはあまり人の事をちゃんと敬わないタイプなので(笑)。
藤原:いやいや、敬ってますよ!(笑) めちゃめちゃ敬ってます。この作品は私がどうのとかじゃなくて皆さんがすごいですから。本郷さんだけでなく、本当に皆さんに感謝しています。
11月7日(土)全国ロードショー
【HP】cinemaangel.jp/