白洲迅「殻を破った年だったのかなと思います」
Smartザテレビジョン編集部の選出により、'15年に活躍したU-23の若手俳優6人にインタビューする年末年始特別企画「フレッシュフェイス」。
ラストを飾る6人目は、'15年1月期に放送された「学校のカイダン」(日本テレビ系)で、学校の中心メンバー“プラチナ8”の一人として多くのファンに鮮烈な印象を残した俳優・白洲迅が登場。
1年の活躍を振り返るとともに、お正月の過ごし方やマイブームについて語ってもらった。
――まずは'15年を振り返ってどんな年になりましたか?
「学校のカイダン」や「She」(フジテレビ系)、民放連続ドラマ初出演となった'14年秋クールの「ごめんね青春!」(TBS系)も含め、“おちゃらけキャラ”が多かったように思います。
特に「学校のカイダン」では、“プラチナ8”という1軍グループにいたのですが、その中でも“斬り込み隊長”のような役どころで。本来僕の性格はどちらかといえばおとなしく温厚なタイプなので、最初の頃は役作りに戸惑い、少々苦戦しましたし、その後も不思議と自分が持っていない性格の役ばかりを演じてきました。
――自分と正反対の役柄だからこそ楽しいこともあり、つらいこともあったんですね。
そうですね、もちろん楽しいこともありました。自分で言うのも変ですが、割と真面目な人間なので、そういう意味では演じるに当たって違ったのかな。
「She」でもそういう役柄でしたが、今までそういうキャラをやってきたおかげでスムーズにできました。それまで試行錯誤しながら積み重ねていけましたし、そういう役が続いて良かったなとそのとき思いました。ある種、殻を破った年だったのかなと思います。
――自分の中で気付かなかった、自分自身の意外な一面も見えましたか?
そうですね。むしろ、少し性格が変わったのかもしれないと思うくらいの転機になりました。基本的な性格は変わっていないですが、ちょっと他の人に対してオープンになったかもしれません。
もともとすごく人見知りで、人前に出たくないタイプだったので、そういう部分は変化したというか、普段の生活から少しオープンになったのかなという気はしています。
――ファンの方にしてみても白洲さんのそういう姿は新鮮でしょうね。
今まで知ってくれていた方は驚いたでしょうし、'15年に初めて知った方は、イベントなどで直接話す機会があったとき「本当にチャラい方だと思っていました」という声も多くて(笑)。逆にそう見えるように演じられていたのだなとうれしくもなりました。
――そして「恋愛あるある。」(フジテレビ系)では社会人役でしたね。
それまで学生役が続いていたので、また新たな挑戦ができました。社会人の役は今までほぼありませんでしたから。でも“大人の恋愛”というものに足を突っ込む感じで、いい経験になりました。
――自分の中の“恋愛あるある”と通じる世界観はありましたか?
いやいや(笑)。いわゆるオフィスラブのようなものは僕には経験できないですし、これまで想像の域でしかなかったのですが、本当にこういう恋愛の形があるのかなと思うと面白かったですし、新鮮でした。
――その後、「なんでやねん受験生」(CSフジテレビNEXTほか)もありましたね。
あれは大きかったですね。もちろん主演をやらせていただいたこともそうですが、監督が高校生でしたから。監督は高校生でもビジョンはしっかりしていたので、普段他の監督とやらせていただいているお仕事と何ら変わりなくできました。
――そこはプロ同士の感覚でやることができたと。
そうなんですよ。ただ、いくらすごいとはいえ女子高校生なので、撮り方が全く分からないんです。そこで彼女を百戦錬磨のプロの方たちが支えていたのですが、接する感じが高校生だからといって全く子供扱いしませんし、分からないことはちゃんと教えてあげていました。
なるべく彼女のイメージしていることをそのまま形にしたいという思いで仕事をしているように見えて、そこに“職人魂”を感じましたし、感銘を受けました。プロフェッショナルなスタッフの皆さんに感謝していますし、あらためてこの仕事に対して考えさせられることが多かった現場でした。
――もちろん監督なりの考えもあったでしょうしね。
ええ。この作品は受験を控えた高校生のお話だったのですが、ほとんど監督の実体験だったんです。なので、その場のリアルな感覚は彼女にしか感じ得ることができないもの。リアルですが、コメディー要素みたいなものの伝え方に高校生感がとてもよく出ていて、身ぶり手ぶりで、どうにか出演者に伝えようとしているところもかわいらしかったです。
真剣にやっている人の情熱はちゃんと伝わるし、現場で泣きだしちゃったこともありましたが、いきなり大人の中に放り込まれたらそうなりますよね。
――将来その監督とまた一緒に仕事をすることになったら感慨深いでしょうね。
そうなんですよ! キャスト・スタッフみんなでそういう話をしていました。本当に将来が楽しみです。
――10月期に放送された「仮カレ」(NHK BSプレミアム)はどうでしたか?
「恋愛あるある。」に通じるものがありますが、これは年上の女性をたぶらかすというか(笑)、目的があって年上の女性に近づく役だったんですよ。その分、難しい面もありましたが、今までやってきた役の延長線上にはあったのかなと思うので、それほど戸惑いなく演じられました。
――白洲さんご自身は23歳になったばかりですが、学生になったり社会人になったり、幅広く演じていますね。
もちろん年齢的に、いつまで学生をやるのかな?と思われるかもしれないですが、今はどちらかといえば学生の方がやりやすいというか、安心する感覚があるんです。
社会人よりは学生の方がしっくりくるかなと。逆に社会人的な役をやるとき、割と自分の中でキャラというか、設定をちゃんと作ってやらないと、と構える部分もあったので「仮カレ」で社会人役をやれたのは良かったです。
【「花より男子-」出演! 白洲迅「夢は映画主演です」へ続く。同記事は1月3日(日)朝8時掲載予定】
白洲迅(しらす・じん)
1992年11月1日生まれ
東京都出身
1月5日(火)~1月24日(日)まで東京・シアタークリエで行われる「花より男子 The Musical」に花沢類役で出演
【HP】www.hanadan-m.com/