【試写室】「スミカスミレ」すみれ女子ブームが到来?
2月5日(金)にスタートする、桐谷美玲主演の金曜ナイトドラマ「スミカスミレ 45歳若返った女」(テレビ朝日系)。松坂慶子演じる澄が化け猫の力を借りて65歳から20歳に若返り、青春を取り戻してキャンパスライフを送る。そんな夢のような物語を、一足先に視聴し、見どころを紹介する。
第1話のストーリーは、家業の手伝いや、祖父と両親の介護に追われ、恋愛や大学生活といった青春を一切経験することなく、65歳になった独身の如月澄は、長年介護した母を亡くし、天涯孤独の身となり、遺影の写真を探すため納戸へ向かう。
そこにあった黒猫とカキツバタの絵が描かれた古いびょうぶにうっかり指を引っ掛け、血で汚してしまう。ところが、血は見る見るうちにびょうぶへと吸い込まれ、跡形もなく消えてしまう。
不思議に思いながらも澄は納戸を後にし、アルバムを見ながら青春とは程遠かった昔を思い出し、後悔の念を抱いていた。
その時、黎(及川光博)と名乗る謎の男がカキツバタのびょうぶから飛び出してくる。黎は人に姿を変えた黒猫だという。どうやら先ほど降りかかった澄の血が、黎をびょうぶの中に縛り付けていた“封印”を解いたらしい…。
全くもって訳が分からず、澄は動揺していたが、黎に望みを聞かれ、彼女は突き動かされるように「人生をやり直したい」と答える。
すると、信じられないことに、目覚めた澄は黎の術によって20歳の姿に戻っていた。この日を境に、彼女は自分を「主」と呼んでかしずく黎に言われるまま、如月すみれと名乗り、自分の姿と新しい生活に戸惑いながらも憧れの大学へ通うことに…。
まずはすみれが大学に登校するシーン。65歳の如月澄として着ていた服をそのまま着て学校に行ったため、すみれの服装はレトロそのもの。うちの祖母(90歳)もあんな服を着ている気がするが、それすらもいい意味で違和感なく着こなしてしまう、桐谷のお人形さん的な美しさには驚きしかない。及川をして「等身大フィギュア」というのも分かる。
やはり、美人は何を着ても美人ということか。“SEKAI NO KIRITANI”は伊達じゃない。
見た目はともかく中の人は65歳ということで、言葉使いやところどころの動作は年配の人のそれだが、逆にいえば実に古き良き奥ゆかしさがあるのがこのすみれだ。
礼節を重んじ、きちんとあいさつし、真面目で男性の一歩後ろを歩くような雰囲気。レトロな服装も含め、このドラマが終わるころには“カープ女子”、“釣りガール”などに続き、“すみれ女子”がブームになっているかも…と思わせるほど、魅力的なヒロインだった。
個人的には「ピチピチしてる…」というせりふや「どっこいしょっと」と座る姿、そしてカラオケのシーンがたまらなくキュンした。
そしてもちろん少女漫画が原作とあって、イケメン王子様キャラも見逃せない。
今回は劇団EXILEの町田啓太がそれを担当するのだが、この町田演じる真白くんがまた好青年過ぎて、いや、フランクにいえばいいやつ過ぎて男でもニヤケが止まらない。
モテない男のひがみかもしれないが、何か裏があるんでしょ?とついつい粗探しをしてしまいがちだが、安心してください、100%好青年らしいですよ。
あんなやつおらんやろ、と思って見るのではなく、あんな人がいたらいいな、という気持ちで見れば誰もが老若男女に優しくなれるかも。
すみれ女子に続き、MD…もとい、真白男子も増加してほしいところ。
その真白のまっしろな心から繰り出される“ときめき爆弾”には、すみれだけでなく、全女性視聴者がノックアウト必至だ。
その他では、“Mr.ミステリアス”及川が演じる黎のハマリっぷりもいいし、真白の親友を爽やかに演じる竹内涼真、根っからの女王様なんじゃないか?と思わせる水沢エレナの嫌な女っぷり、小日向文世&高杉真宙が演じるクセモノ住職親子…と、いろんな角度から楽しめる。
総理大臣とばか息子の入れ替わりモノ、歴史に名を残す侍が現代へタイムスリップしたドラマに続き、今度は若返りの物語と、金曜ファンタジードラマ枠…いや、金曜ナイトドラマ枠は夢のある作品続きで、嫌なことがあっても忘れさせてくれる。
やはり、年を取れば取るほど誰もが一度は「若返って人生をやり直したい」と思うもの。25歳くらいの若い後輩におじさん扱いされる筆者もご多分に漏れずそうなので、実家の納戸に眠っているかもしれない、黒猫とカキツバタの絵が描かれたびょうぶを探してみようっと。
しかし、ヌッと現れた化け猫(大きい黒猫)が夢に出てきそうで本当に怖かったニャー。おっと、そんなダジャレを言っているからおじさん扱いされるのかニャ?
毎週金曜夜11:15-0:15
テレビ朝日系で放送
※一部地域では放送時間が異なる