キャプテン翼 シーズン2 ジュニアユース編のあらすじ一覧
前半戦を1対1で折り返し、後半戦がキックオフ。しかし翼は、ハーフタイム中に片桐から受け取った“ノートの52ページ”というメッセージが気になっていた。“ノート”とは、小学生の頃に師匠だったロベルト本郷がブラジルへ帰国する際に残したロベルトノートに違いない。自らのテクニックを惜しみなく記したノートの52ページ目に、一体何が書かれていたのだろうか。翼は最初の1ページから順に懐かしい記憶をたどっていく。
前半25分。翼と岬のツープラトンダイビングヘッドシュートが決まり、試合は振り出しに戻る。追いつかれたことで奮起したシュナイダーは前半終了間際に決定的なチャンスを演出し、キーパーと1対1のシチュエーションに持ち込む。若林はシュートを阻止すべくゴールから飛び出すが、シュナイダーは構わずファイヤーショットを放つ。鋭く回転するボールからは火の粉が飛び散り、若林の帽子を焼き焦がす。
シュナイダーのファイヤーショットで日本は先取点を奪われる。反撃の機会をうかがう日向は、ミューラーが股下へのシュートを苦手にしていることに気付いて勝機を見出すも、その弱点を試合中に克服されてしまう。「もう打つ手はないのか」と絶望して立ち尽くす日向に対し、翼は「ゴールを奪えないキーパーなんてこの世にいるわけがない」と雄たけびを上げる。そんな翼と日向の心が通じ合い、誰も予想しなかった史上最強のシュートが生まれる。
前半15分、若林のデータにより日本代表は試合を優位に進めるも、両者一歩も引かぬ攻防が続く。先制点を狙う日本は、ドイツの反則によりフリーキックのチャンスを得る。シュートを直接狙える位置からのセットプレーのため、ドイツ代表は当然ゴール前に壁を作るが、ミューラーは拒否し、翼と対じする。ミューラーの圧倒的なプレッシャーに翼はたじろぐが、あるアイデアがひらめいて日向に耳打ちをする。
日本代表のシュートをことごとく防いだミューラーに、一同は驚がくする。その隙を突いたミューラーは、日本ゴール前のシュナイダーに超長距離のダイレクトパスを蹴り込む。そのままジャンピングボレーを決めようとするシュナイダーだったが、カウンターを読んでいた若林はゴールを飛び出して決死のブロックをする。攻めのカール・ハインツ・シュナイダーと守りの若林源三。ハンブルクでチームメイトとして活躍する両者の戦いの火ぶたが切られる。
国際ジュニアユース大会決勝戦が始まる。若林が作成したドイツチームのデータが功を奏し、開始直後から日本のペースに試合が進み、敵のクセを知り尽くした翼と岬は中盤の競り合いを制し、日向が最初のシュートを放つ。しかし、ドイツのゴールキーパーは大会途中から出場した鋼鉄の巨人デューター・ミューラーだった。幻のキーパーと呼ばれる彼のデータはまったく存在しない。そんな中、異様な威圧感で日向のタイガーショットにミューラーが向き合う。
決勝カードが日本対ドイツに決まる。だが、ここまで戦い抜いた日本代表は負傷者が相次いでおり、準決勝で負った若島津のけがも癒えてはいなかった。そんな中、決勝当日、スターティングメンバーが発表され、ゴールキーパーには若林が選ばれた。今大会ではサポートに徹するつもりだった若林は動揺を隠せないが、控えキーパーの森崎、さらに日向からしった激励を受け出場を決意する。
決勝トーナメント第2試合では、延長戦でも勝敗が決まらず、各チーム代表5人によるPK戦で決着を付けることに。フランスの一番手は主将のピエール。スタジアムからの大声援を受けたピエールはペナルティマークにボールを置き、その先のゴールを見据える。対するキーパーは若島津。PK戦を得意とする若島津だったが、負傷によって右手の握力はすでに失われていた。そんな中、主審の笛が鳴り響き、いよいよPK戦がスタートする。
延長後半戦がキックオフ。日向はピエールと一対一の勝負を挑むも、足の傷が災いしてボールを奪われてしまう。これを口火にフランスの波状攻撃が始まる。ゴールから飛び出した若島津はパンチングでクリアしたが、空中で選手ともつれて右手を強打してしまう。あまりの激痛に起き上がることができない若島津に、同じく満身そういの三杉が「残り10分、死ぬまで戦うんじゃなかったのか!」と活を入れる。すると若島津の瞳に火がともり出す。
岬のシュートで4対4の同点に持ち込み、試合は大会初の延長戦へ突入する。だが、交代枠を使い切ってしまった見上監督は、疲労した選手たちが気掛かりだった。延長戦が始まり、恐れていた事態は現実のものとなる。日向は3人掛かりのタックルを受けて右脛を負傷し、若島津はナポレオンのシュートを防いだ代償で、右手からの流血が止まらない。三杉も長時間のプレイで心臓が限界に達しつつあるなど、日本代表にけが人が続出する。
フランスの秘技・エッフェル攻撃に身構える日本代表に対し、ピエールとナポレオンは完璧なパスワークでゴールに向かっていく。ワンツー、ロングパス、ミドルパスと多彩なパスを使いこなし、ディフェンスを抜き去り、ボールはネットに突き刺さる。日本は1点のビハインドのまま試合終了5分前となり、さらにグラウンドは雨でぬかみ、ボールのコントロールさえ難しい状況に。この最悪のコンディションを見た翼は起死回生の策に出る。
雨が降り始める中での後半戦。日向の活躍で日本は1点差に詰め寄る。対するフランスも猛攻を開始する。すぐさま2点差に突き放したかと思いきや、ナポレオンの強引なドリブルが反則を取られてノーゴールに。前半苦しめられた判定に今回は救われる。負傷した井沢の代わりにグラウンドに立った三杉は、フランスの主将ピエールを抜けば試合の流れが変わるはずだと感じていた。その考えは翼も同じで、両チームのキャプテン同士が激突する。
前半10分。早田に2枚目のイエローカードが出され、日本代表はこの先を10人で戦うことに。ピエールのPKも決まってスコアは1対2。勝利を諦めていない日向は仲間を鼓舞し、タイガーショットでゴールを揺らすが、オフサイドの判定となる。さらにカウンターで早田の抜けた守備の穴を狙われ、追加点を与えてしまう。退場処分のためベンチにいることすら許されない早田は控え室で一人、涙を流しながら「がんばってくれ、みんな」と声を振り絞る。
決勝トーナメント第2試合。日本代表の相手は、国際ジュニアユース大会の開催国フランスだった。地元への大歓声が鳴りやまない完全アウェーの中、翼、岬、日向は三段構えのアタックを仕掛け、主将のピエールからボールを奪取する。チーム一体となった見事な連携プレイによって、日本代表は今大会初の先取点を挙げる。そんな中、1対0のスコアボードをにらみ、悔しさをにじませるピエールは「今まで温存していた“俺のシュート”を出すしかない」と考える。
決勝トーナメント第1試合ドイツVSウルグアイ。勝者が決勝戦に駒を進める試合は、ウルグアイによる電光石火の攻めから始まった。FWラモン・ビクトリーノが豪快なダイビングボレーシュートを放ち、キックオフからわずか50秒でゴールネットを揺らす。優勝候補が先制される予想外の展開にスタジアムが騒然となる中、ドイツはシュナイダーのファイヤーショットで即座に追い付き、両陣営のエースストライカー対決に期待がかかる。
三杉のオーバーヘッドで、日本代表はこの試合初めてのリードをもぎ取る。残り時間は2分足らず。アルゼンチンは諦めず全員攻撃で日本ゴールを攻め立てる。ディアスはマークを外してフリーになったものの、ディフェンス陣は壁を作ってシュートコースを阻む。「俺が世界一! 俺が天才ファン・ディアスだ!」と、ディアスの大きく弧を描いたバナナシュートは相手の頭上を越えてゴールに吸い込まれていく。
後半25分。4対4の同点に持ち込んだ日本代表は、勝利への突破口としてフィールドの貴公子・三杉淳を投入する。三杉は類いまれなサッカーセンスを持ちながら、心臓病というハンデのため長時間のプレイが許されないガラスのエースだった。彼がかつての試合で見せた圧倒的なプレーは、翼たちの目に焼き付いている。今度は敵ではなく、チームメートとして3年ぶりに翼と同じピッチに立った三杉は、アルゼンチンに怒とうの速攻を仕掛ける。