戦国妖狐 世直し姉弟編のあらすじ一覧
【最終回】断怪衆四獣将、そして泰山を失った野禅は“精霊転化”で迅火に対抗する。九つの尾を持つ野禅は、霊力も戦闘能力も迅火を上回っていた。追い詰められた迅火は、泰山の肉を食らい、霊力を極限にまで高めていく。だが、人間としての自分を顧ない迅火は、正気を失い闇の意識に飲み込まれていってしまう。野禅は迅火の暴走を好機と見て、幻術で戦いを支配する。そんな中、たまや真介は、迅火の正気を取り戻すべく、必死に呼び掛ける。
断怪衆総本山で迅火vs道錬、真介vs烈深の死闘が繰り広げられる。妖精眼で攻撃を見極めていた迅火だったが、道錬が繰り出した荒技・千尋拳(せんじんけん)の威力は圧倒的だった。迅火はもうろうとした意識を払うべく、霊気の塊の手を頭に突っ込む。一方、烈深の轟震海(ごうしんかい)をかわした真介は、憎しみの果てに自分が目指すべき境地にたどり着く。そして戦いの行く末を見守っていた野禅は、ついに泰山を起動させることに。
灼岩は自らを犠牲にして岩の里を守り、深い眠りにつく。彼女を失ったことで怒りにとらわれた真介は、陰の気に飲まれかけていた。そんな中、ある村で守護者である闇・かごもりがいけにえの人間を食らっていると知った真介は、討伐に乗り出す。だが、そこに現れたのは烈深だった。真介は感情に任せて剣を振るうが、烈深の攻撃で気を失ってしまう。もうろうとする意識の中で、真介は魔剣・荒吹の精神世界に入り込む。
一行は、火岩の故郷である岩の里にたどり着く。ある日、迅火が身重の女性・おこうを手助けしたことで、一行は岩の里にしばらく滞在することに。だが、ほどなくして断怪衆の追っ手、烈深と道練が岩の里に現れる。迅火は道練とぶつかり合い、戦いのなかで真っ向勝負の楽しさに気付く。一方、おこうをかくまっている小屋を不審に思った烈深は、卑劣な手段で小屋もろとも葬り去ろうとする。だが、そこに灼岩が身を挺して立ちはだかる。
一行は、断怪衆討伐のため、思いを新たに出発する。真介は斬蔵から魔剣・荒吹を託されるが、まだ自分の実力に見合わないものだと思い知らされる。旅の途中、闇・猩々の酒の匂いをかぎつけたたまは、そこに居合わせた断怪衆四獣将のひとり、道練と鉢合わせてしまう。たまは飲み比べでの勝負を提案し、なんとか危機を乗り切る。そして一行がたどり着いた先は、不幸から人々を守り続けた闇が支配する村だった。
野禅は刺客・断怪衆四獣将の一人、氷岩を送り込んでくる。彼女の正体は霊力強化改造人間に改造された、斬蔵の妹・氷乃だった。灼岩に封じられている闇・火岩は、氷岩の中にいるのが旧友の闇・蒼岩と察して語り掛けるが、その意識は消滅していた。友をもてあそばれた怒りに、火岩は自ら戦うことを申し出る。だが、そこへ龍の気配をまとった二人組が現れる。龍の力を前にして、迅火たちは“ある行動”を取る。
時は永禄7年。武者修行中の武芸者・兵頭真介は、不思議な術で野武士を撃退する“世直し姉弟”といわれる妖狐・たまと仙道・山戸迅火に出会う。真介は二人と共に野武士集団“鬼兜組”のアジトへ乗り込むが、鬼兜組の頭領が人にあだなす闇(かたわら)だと知った迅火とたまは秘術“精霊転化”によって力を解放すると、瞬く間に頭領を撃退する。迅火の力に引かれた真介は、二人との同行を決意する。