藤井風が主題歌を歌う「最高の演出」で幕を閉じる
美鳥のナレーションで語られた「他人の価値観なんて理解できないけど、理解したいと思える他人と出会えることはある」。ゆくえら4人もそれぞれの価値観があって、その違いを尊重したうえで、関係が成り立っている。夜々が椿に、紅葉がゆくえにフラれ、恋人という2人組にはなれなくても、椿の家という集まる場がなくなっても、3人がいる場所が“帰る場所”になっていて、4人でいる心地よさは続く。
夜々が美鳥に語った「好きな人たちに自分が何を嫌いなのか知ってもらったら、すっごい生きやすくなった」という言葉も印象的だった。出会いによって変化が生まれていた。
最終回では、ゆくえの妹・このみ(齋藤飛鳥)や、ゆくえの親友・赤田(仲野太賀)、椿の元婚約者・純恋(臼田あさ美)、椿の弟・楓(一ノ瀬颯)、夜々の美容院の同僚・相良(泉澤祐希)、紅葉が気まずくなってしまった高校の同級生・篠宮(葉山奨之)らも登場し、これまでのつながりを鮮やかに見せていった。
また、ゆくえのちびっこ相撲、美鳥がゆくえに明かした一番好きな花、夜々の小学校時代の仲良しだったムラサキちゃんなど、ほんの少し会話に出ていたエピソードまで回収される楽しみもあった。
そしてラスト直前はサプライズ演出が。ゆくえらが“部室”と呼んだ椿の家のリビングで、藤井風がピアノを弾きながら主題歌「花」を歌唱。その後ろで4人が集まってくる姿と歌詞が重なり合っていき、深い余韻を出し、本当のラストは、インテリアショップのダイニングテーブルに座った4人が互いの“成長”を報告する様子となった。
本作には共感もあれば、ちょっと違うかもという意見ももちろんあり、SNSにはたくさんの感想が寄せられた。最終回も大きな反響を呼び、日本のみならず世界トレンド1位に。「『どっちでもいい』に救われた」「いろんな言葉が刺さるドラマだった」「最終回ジーンとした」などのほか、藤井の登場に「最高の演出」との声も上がった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部