通算99部門のアワードを受賞、スティーブン・スピルバーグ共同製作の医療ドラマ「ER緊急救命室」の見どころと内容に迫る
シカゴのカウンティ総合病院を舞台に、臨場感あふれる医療現場と医師や看護師たちの人間関係をリアルに描いたロングラン・メガヒット・ドラマ「ER緊急救命室」。動画配信サービス「Hulu」では、シーズン1~15の全シーズンを配信中だ。本記事では、同ドラマのあらすじや見どころを紹介していく。
カウンティ総合病院の医師や看護婦たちの公私に渡る奮闘や成長を描く
映画「ジュラシック・パーク」「タイムライン」などの原作で知られるマイケル・クライトンが製作総指揮を務め、スティーブン・スピルバーグ率いるアンブリン・テレビジョンが共同製作した本作。1994年に放送がスタートし、2009年放送のシーズン15まで、およそ15年の長きにわたって愛されたロングランシリーズだ。
医療ドラマではあるものの、舞台は病院にとどまらず、医師や看護婦たちの公私にわたる生活や人間関係が描かれ、人間味あふれる登場人物たちが様々な成功や挫折、恋愛、別れを経て成長していく姿が最大の見どころとなっている。
エミー賞23部門、ゴールデン・グローブ賞、全米監督協会賞、全米俳優協会賞、全米脚本家協会賞、全米キャスティング協会賞、ピープルズ・チョイス・アワード、ゴールデン・リール・アワード賞など、通算99部門のアワードを受賞していることからも、その人気の高さが伺える。
ちなみに本作は、当初スピルバーグが監督を務め、映画化される予定だった。しかし、スピルバーグはマイケル・クライトン著の『ジュラシック・パーク』を映画化することになり、「ER」はテレビドラマ・シリーズとして製作されることになったそうだ。
また、本作の出演者たちは長きにわたって医師役として認知されているため、実生活で思わぬ期待をされることもあったようだ。主人公ジョン・カーターを演じるノア・ワイリーは、以前飛行機に乗っているときに急病人に遭遇したが、医者を呼び出す機内放送に乗客が振り返って彼の顔を見るので、大変困ったという。
演じるにあたって医学用語や知識を学んでいるとはいえ、当然本物の医療行為ができるわけではない。結局、同乗していたワイリーの母が看護師の資格を持っていたおかげで恥をかくことはなかったそうだが、こうしたエピソードは本作が“リアリティの高い作品”であることを物語っている。
血を見ただけで卒倒していたカーターが、一人前のドクターとして成長していく
ノア・ワイリーは、映画「ア・フュー・グッドメン」、や「スウィング・キッズ」などに出演。本作の新米ドクター・カーター役に抜擢され、大ブレイクを果たした。カーターは、人当たりがよく「ER」のハードな世界をなごませる好青年だが、最初のうちは血を見ただけで卒倒するなど、失敗続きで周りをハラハラさせていた。しかし鬼教官・ベントンの元で様々な経験を積み、やがて患者の気持ちのわかる心優しいドクターとして頭角をあらわしていく。
内科医としての確かな腕を持つチームのまとめ役、マーク・グリーンを演じるのは、「トップガン」でトム・クルーズの相棒・グース役を演じたアンソニー・エドワーズだ。マークは仕事熱心で誠実な人柄から、患者やERのスタッフたちからの人望も厚く、常に冷静な判断と的確な処置で対応する実に頼もしい存在として描かれる。
心臓外科医を目指すレジデントのスーザン・ルイスを演じるのは、TVシリーズ「NYPD ブルー」で弁護士ローラ役のシェリー・ストリングフィールド。スーザンは、自分に自信がなく、上司に押し切られ医療ミスを引き起こしたこともあったが、経験を積み、自分が正しいと信じる治療方針を貫き通す頼もしいドクターへと成長していく。
小児科のフェロー(特別研修医)でERきってのモテ男、ダグラス・ロスを演じるのはジョージ・クルーニー。ダグは正義感が強く、正直で熱くなりやすい性格から、子供を虐待する親たちや病院の上層部と衝突してしまうことも…。
そのほか、ナースのキャロル・ハサウェイ役を演じるジュリアナ・マルグリースや、外科レジデントのピーター・ベントン役を演じるエリック・ラ・サルなども出演し、魅力的なキャストたちがストーリーを盛り上げていく。
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