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WEST. ありったけの熱量でファンを多幸感で包んだ「10th Anniversary LIVE TOUR AWARD」横浜アリーナ公演【ライブリポ】

2024/05/11 08:00

「WEST. 10th Anniversary LIVE TOUR AWARD」
「WEST. 10th Anniversary LIVE TOUR AWARD」撮影=阿部岳人

CDデビュー10周年を迎えたWEST.が開催中の全国ツアー「WEST. 10th Anniversary LIVE TOUR AWARD」。3月29日の大阪を皮切りに6月2日の北海道まで駆け抜ける本ツアーの折り返しとなる横浜公演が、5月4日、神奈川・横浜アリーナにて行われた。※以下、公演の詳細に触れています

今のWEST.が持つ二面性を表現

ツアーに先駆けて、3月13日に10周年の Anniversary Album『AWARD』を発売したWEST.。会場に一歩足を踏み入れると、“AWARD”のタイトルにふさわしいさまざまな装飾が目に飛び込んでくる。メインステージを覆う赤い幕、レッドカーペット、鮮やかな電飾……。今回ならではの豪華な授賞式のような空間でファンをお出迎えだ。

1万5000人の観客は、開演前の場内に流れるWEST.の曲に合わせて熱唱するなど既に熱気ムンムン。そのパワーに押されるように幕の裏側から登場したメンバー7人はノリノリで体を揺らし、「俺たちがWEST.!!」とグループ名を轟かせる。重岡大毅が「横アリ『AWARD』ラスト! ただのライブはしねぇぜ!」と宣言すると、恒例の「せーの!」の掛け声に続いて会場全体が「ええじゃないか~!!」と絶叫。いつも以上にパッションを感じるデビュー曲でステージは盛大に幕を開けた。

ライブの演出は今回も藤井流星が担当。「ええじゃないか」から最新シングル「ハート」までの10年間の歩みを感じる楽曲はもちろん、アルバム『AWARD』収録の新しいナンバーやライブ鉄板曲も盛り込んだ濃厚なセットリストが展開されていく。

『AWARD』のダブルリード曲は、センターステージまで一気にダッシュした底抜けに明るい「AWARD」と、自らを鼓舞するように歌い上げる野心むき出しの「REWARD」で今のWEST.が持つ二面性を表現。本ツアーのグッズで販売中のペンライト“きみへのトロフィー”(WEST.のライブでは初となる制御ライト!)を駆使した「疲れちゃうや」は会場の光が一斉に消えたクールで大人っぽい雰囲気に包まれる。そのまま暗い中で始まった「絶体絶命」は今回のライブツアーがパフォーマンス初披露。上下左右4面のLEDに囲まれ、極彩色のライティングを浴びながらのエッジの効いたダンスに魅了された。

楽曲投票の結果発表も

アルバム『AWARD』の制作にあたり事前に行われた「10th Anniversary AWARD <楽曲投票>」。そこで選ばれた曲たちもこの日のステージでは大きな存在感を放っていた。“ミュージック・ビデオが見たい楽曲”1位の「セラヴィ」は神山智洋振り付けのセクシーな世界観で骨抜きにし、“WEST.的最強ラブソング”1位の「何万回だって『君が好き』」はエモーショナルな歌声でメロメロに。“THE GREATEST WEST. SONG No.1”に選ばれたファン人気1位の「アンジョーヤリーナ」は10年間のメンバーの軌跡を収めた映像を背負ってのパフォーマンスが涙腺を刺激した。

他にも見どころは多岐に渡り、wacci橋口洋平提供の「あじわい」は、重岡がピアノ、中間淳太がグロッケンシュピール(鉄琴)、桐山照史がパーカッション(カホーン)、濵田崇裕と神山がアコースティックギター、藤井がタンバリン、小瀧望がシェイカーを演奏し、アコースティックならではの柔らかく優しい音色が観客を癒す。

続く「しらんけど」では中間と藤井がサックスに楽器をチェンジ。クセ強のWEST.のナンバーの中でも異色の楽曲がアコースティックバージョンに一変し、怒濤のように繰り返される中間の“ツッコミ”も笑いを誘った。笑いといえば、4年ぶりに披露されたコント「中間ん家物語」も7人の仲の良さと高いアドリブ力が引き起こす展開が楽しさ全開。これぞWEST.のライブの醍醐味!といえる“コテコテ”の時間に腹がよじれるほど笑った人も多かったのではないだろうか。

ドーム公演もサプライズ発表

終盤、WEST.のライブの定番となったバンドを背負って歌うロックコーナーでは、彼らの真骨頂である“熱くほとばしる空気”にボルテージが急上昇! 重岡の音頭で全員が「エイ、エイ、オー」と拳を突き上げ、そこから始まった「超きっと大丈夫」は彼らからのポジティブなメッセージに胸が震える。頑張る人を“超全肯定”する応援歌を、7人が一瞬も力を抜くことなく魂を込めて届ける、強く美しいシーンだった。

本編ラストの挨拶は7人を代表して神山が担当。「僕ら、手探りの状態でこの10年間やってきて、これから先もそれが続くんですけども。それが皆さんの“楽しい”って思ってもらえる一つのきっかけになればいいなという思いを込めて、この先もステージに立ち続けます!」と真っすぐに語る。そしてアンコールの最後には、デビュー10周年ツアーのラストを飾るドーム公演「WEST. DOME TOUR AWARD ~10th Anniversary~」をサプライズ発表。1万5000人の歓喜の声に7人もうれしそうな表情を浮かべ、重岡は「ドームで会えるよな! レベルアップして待ってるぜ!」と再会を誓うメッセージを届けた。

徹頭徹尾ありったけの熱量でファンと対峙し、一人残らず幸せにするWEST.のパワフルなステージは唯一無二。10周年を迎えて、その濃密さはさらに増しているように思う。WEST.だから作れる、WEST.のライブにしかない極上の幸福感。2年ぶりとなるドームツアーでは一体どんな景色で私たちを満たしてくれるのか、その日が今から待ち切れない。

取材・文=川倉由起子
撮影=阿部岳人

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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