――flumpoolらしくない曲をこのタイミングであえて制作した意味というと?
阪井「何だろうな……(昨年5月に発表した)アルバム『Real』で作りたい曲は作ったし、その次としては、っていう。2021年の一発目でもありますし」
――そのアイデアをバンドとして受け入れ、やってみよう、と。
尼川「阪井の熱意も大きかったですね。めちゃめちゃタイトル曲にしたがってたから」
阪井「もともと、『フリーズ』がタイトル曲の候補だったんです。でも、それがちょっと気になってて」
――それこそ、「フリーズ」はまさにflumpoolらしい1曲ですよね。
阪井「だからこそ、そこを変えたかった」
山村「バンドとして、アルバムを出した後は変化しなきゃいけないっていうのもあるし。やっぱり、古いモノを変えていくというのは、このコロナ禍の中でもすごく感じたことだったりするんです。そこには難しさもあるけど、その先で得られるモノもある。そこについていかなきゃな、っていうことを思いましたね」
――タイトルにもなったディスタンスという言葉、コロナ禍においてはソーシャルディスタンスという表現で耳にする機会も多かったですよね。生きていく上で距離や距離感の大事さを突きつけられたこともあり、テーマとして選んだのは自然な流れだったんでしょうか?
山村「そうですね。テーマとしては、ツアーを乗り越えてきたのもあるし、まだまだですけど、コロナに対してワクチンも出てきて、暗いトンネルに光が見えてきた時期かなと感じていて。その克服感というか、みんなで一緒になって越えてきているモノは何だろうと考えたんです。物理的な距離も大事ですけど、心の距離が測れたことが大きかったと思うし」
――そして、「フリーズ」はTVアニメ「セブンナイツ レボリューション-英雄の継承者-」のオープニングテーマとして書き下ろした1曲。これぞflumpoolという仕上がりだと感じました。
阪井「そうですね。TVアニメのオープニングというのもあったし、印象的でキャッチーなモノを考えたとき、これぞという曲を出したいなと考えたんです。ストリングスが軸になっているのは自分たちの武器でもありますし、結果的にザ・flumpoolみたいな曲になりましたね」
――制作するにあたって、先方から何かリクエストのようなモノはあったんですか?
阪井「この曲はストリングスとピアノで始まりますけど、そういうイメージも伝えてもらってましたね」
山村「あとは、ロックバンド的なところも……今、思い出したんですけど、そのころから『求められてるflumpool像をちょっと変えたい』みたいな議論があったんですよ」
阪井「あったっけ?」
山村「何回かアレンジが変わったやん、『フリーズ』は」
阪井「あ〜、たしかに。最初はもうちょっとクールな世界観やったんですよ。ガッツリとバンドサウンドが入ってるんじゃなくて、もっとストリングスが土台になってるようなアレンジ。ただ、もっとバンドサウンドが欲しいっていう話になり、今の形になりましたね」
――ライブも初披露されたときから、感触がかなり良かったそうですね。
小倉「山村以外はそうでしたね(笑)」
山村「おい、こんなところで言うな(笑)」
――山村さんのTwitterで拝見しましたけど、歌詞が飛んでしまったという。
山村「たしかにTwitterに自分で書いてましたね(笑)」
――新曲をファンの前で披露するのは、特別な緊張感や高揚感がありますよね。
山村「そうですね。曲によって、というところではあるんですけど、どう響くのかみたいなところはみんなが思っている以上に想像できてなかったりもするし。ライブで実際に演奏することで『こんな曲なんや!?』って別の見方ができたりもして。発表する場はすごく大事にしてます」
「ディスタンス」
flumpool 1430円 エースケッチ
収録曲●ディスタンス/フリーズ/大丈夫
2008年にメジャーデビュー。以降、数々の映画やドラマの主題歌等も担当。現在「flumpool 10th
Tour『Real』」を開催中
公式HP
https://www.flumpool.jp/