アップテンポな楽曲も歌えるということを多くの皆さんに知っていただきたい(笑)
――短編集では、音楽とは異なる感動や情緒が味わえそうですね。また今回のシングルには、マカロニえんぴつの「なんでもないよ、」のカバーも収録されています。
マネージャーさんに薦められてカバーをすることにしました。1つのフレーズにたくさんの言葉が詰め込まれていて、今まで自分が歌ってきたタイプとは正反対と言える楽曲。だから、カバーするのは、とても難しくて。テンポを2つくらいゆっくりにして歌ったのですが、それでも大変でした。原曲の速いキーで、かつそこに感情を込めて歌われるボーカル・はっとりさんのすごさを実感しましたね。
――さらに、2021年にドラマ主題歌として発表された「Love Song」のセルフカバーも収録されています。シンプルなピアノの音色で、メロディーと声の美しさが際立つ仕上がりですね。
毎回カップリングで収録しているセルフカバーは、ピアノやギターなど一つの楽器だけを使用して制作しています。今回は、オリジナルとは異なるテンポで再構築して、こういう表情も持っていたのかと、自分自身でも気付かされたバージョンになりましたね。
――本作では2つのドラマ主題歌が収録されていますが、Uruさんにとってこのようなタイアップ曲はどのような存在なのでしょうか?
完全なオリジナル楽曲のように、自分の好きなように作るものとは全く異なるものですね。ドラマ制作者さんの意図をきちんと汲み取りつつも、自分の思いも先方に共有してもらわなくてはいけない。その擦り合わせが難しいことが多いです。今回の「それを愛と呼ぶなら」は、特にその思いのギャップが大きいと感じました。お互いにいい作品に仕上げたいからこそ、こだわる部分が発生して、共に納得できるポイントを探すのが難しかったです。
――一方で、音楽が本業ではない方々と意見を交換するのは刺激的な部分も多いのではないでしょうか?
確かに、それはあります。別の分野の方々とアイデアを交換し合い、そこからどういい作品に仕立てていくのかを考える過程は、とても意義深いことだと思います。
――7月からは全国ホールツアーも決定しています。
昨年末にずっと目標にしていた東京国際フォーラムでの単独公演が実現して(その模様は、本作の初回生産限定盤DVDにダイジェスト映像が収録)、今はそこで一つの達成感が出ている状態ですが、7月からスタートするツアーで、新しい目標が見つかりそうな予感がしていて、とても楽しみにしています。
――今後はどんな楽曲を制作したいですか?
ライブをやって思うのは、アップテンポな楽曲を発表しているのですが、それがあまり浸透していないようで(苦笑)。そういう楽曲も歌えるということを、多くの皆さんに知っていただきたいですね。
――勝手ながら「バラードのエクスパート」というイメージを持っていました(笑)。
(笑)。今後はバラード以外もアピールしていきたいですね!
取材・文=松永尚久
ソニー・ミュージックレーベルズ 1200円(通常盤)
収録曲●それを愛と呼ぶなら/セレナーデ/なんでもないよ、/マカロニえんぴつカバー
ほか全6曲
Uru=うる=2013年からYouTubeチャンネルを立ち上げ、名曲をカバーする動画をアップ。歌唱、演奏。アレンジ、プログラミングなど全てを一人で行い、2016年のデビュー時点でチャンネル登録者数は14万人を超えていた。デビュー以降、ドラマ「コウノドリ」、「中学聖日記」、「テセウスの船」など多くの主題歌を担当し話題に。7/30(土)から全国ホールツアー「Uru Tour 2022『again』」がスタ公式HP
https://uru-official.com/