「二人が持っている強みや魅力を意識しながら役を作っている」
――主演4人の役名が特徴的ですが、どのようなこだわりが込められているのでしょうか？
役名は、生方さんが最初にキャラクターを作るときに付けてきてくれます。「silent」でもそうだったのですが、誰も思いつかないような面白い名前を付けてくれますよね。名前自体にも意味があるのですが、ネタバレになるのでここでは伝えられません(笑)。
僕たち制作陣がその名前を付けている意味、というだけではなく、“ドラマの中の登場人物が、その名前を親から付けられている意味”を作中で丁寧に描いていくので、楽しみにしていてください。
――「silent」の世田谷代田などのように、今回も実際にある場所と一緒に盛り上げるような、テーマとする街はありますか？
鋭いですね(笑)。僕はドラマの中で描かれる街が大好きなんです。雪が谷大塚に行ったら「いつ恋」(「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」[2016年、フジテレビ系])の音ちゃんと練くんがいる、世田谷代田に行ったら紬と想がいる、というような思いを感じてもらえたらうれしいなって、そう思ってドラマを作っているんですよね。なので今回も、その街へ行ったらゆくえや椿、夜々、紅葉が歩いてるんじゃないかって感じてもらえるような街を考え、そこを舞台にして物語を作っています。ちなみに、地名までこだわって決めました。これも楽しみにしていてほしいポイントの一つです。
――多部さん、松下さんに期待することを教えてください。
お二人ともお芝居がすごく自然で、繊細かつ丁寧に演じられるという共通点がある方々です。「silent」の時もよく言っていたのですが、僕は、キャスティングは「組み合わせ」だと思っていて、いつも“この人とこの人が一緒に芝居したら面白そう”というのを重視しています。そんな中で、「男女の間に友情は成立するのか？」というテーマを考えた時に、最初に浮かんだのが多部さんと松下さんだったんです。この二人って、友情が成立しそうな感じがしませんか？この二人でこのテーマの作品をやれたら面白そうだなと思いました。
その一方で、お二人には異なっている部分もあると思っています。多部さんは「デカワンコ」(2011年、日本テレビ系)などの現実離れした設定の作品にも出演しているけれど、彼女が演じると面白い。少し特殊なキャラクターを、とてもチャーミングで愛すべきキャラクターに見せてくれる説得力を持っていることこそが、多部さんにしかない魅力だと思っています。
一方の松下さんは、例えば「最愛」(2021年、TBS系)で描かれる事件はほとんどの人には起こりえない事件ですが、松下さんが演じると、まるで自分に起きたことのように感じられる。そういう“共感させ力”を持っているところに魅力を感じていて、いつか一緒に作品を作ってみたいと思っていました。
今作では、今言ったような、二人が持っている強みや魅力を意識しながら役を作っているので、実際に演じてもらって映像となるのが今からすごく楽しみです。
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