奈緒「奇跡みたいなものが集まった作品」
原作者の夢枕と佐藤監督の親交が深いからこそ生み出された本作。完成した作品について山崎は「率直にとても面白かったです。現場では想像でしかなかった呪術を使うシーンやVFXの部分を完成した作品で観られて、うれしかったです。僕も呪術を使えるようになりたいですね」と感想を。
染谷は「想像を超えて面白かったです。壮大なエンターテイメントでずっとスクリーンに釘付けでした」と視聴当時を回顧。奈緒は「誰かと語り合いたいと思う作品でした。とても美しくて、誰も見たことがない作品が国宝と呼ばれる場所で撮影されて、それがスクリーンに閉じ込められてる。そんな今だから出来る奇跡みたいなものが集まった作品です」と思いを語った。
また佐藤監督は「まずは獏さん、そして獏さんのファンを喜ばせたいという気持ちでした。原作から外れないように意識しました。作品を見て、獏さんが泣いてくださったので、すごくうれしかったです」と述べ、夢枕のコメントを披露すると、こみ上げるものがあったのか、言葉を詰まらせる瞬間もあり、並々ならぬ想いで本作に挑んだことをうかがわせた。
山崎&染谷、顔を見合わせ「最強バディ誕生だよね」
山崎が演じた若き晴明について染谷は「かっこよさの中に繊細さがあった。安倍晴明もひとりの人間なんだなと思いました。それにすごく感動しました」、奈緒は「完全無欠にみえるが、実は弱い部分があって、それを乗り越えた人なんだなと思いました。作品を見ることで安倍晴明という人物を心から愛することができました」と2人とも絶賛。
また、山崎は「とても恰好良かったと客観的に見て思いました。陰陽師になる前の若き安倍晴明、博雅との関係性を監督と染谷君、3人で作っていくことが非常に楽しかったです」と撮影を振り返り、「最強バディ誕生だよね」と山崎と染谷で顔を見合わせた。
映画の公開について、なぜ今晴明を映画化したのかと問われると、佐藤監督は「作品の中で暗示や思い込みを “呪”(しゅ)と呼んでいるのですが、昨今のインターネットも事実が何かというのは関係なく、検証することなく論争する世の中になっていて、みんな“呪”にかかっているなと気づきました。それを祓えるのは昔からのヒーローである安倍晴明しかいないと思ったんです」と現代と呪いの関係性と共にその必然性を語った。