向ける眼差しから南雲の狩山への思いを感じ取ってもらえるかな
――その中で演じているのが南雲大樹という、狩山を尊敬する部下の役です。狩山への思いはどういったところで表現しましたか?
南雲にとって狩山は上司ですが、フランクに接してくれて、南雲からも冗談を言ったり、軽口を叩いたりするので、そういった部分に仲の良さが出ています。
狩山が現場で職人かたぎな人たちをまとめる場面では、その型破りな立ち居振る舞いに冷や冷やもしつつ、自分にはない部分として憧れている。どのくらい撮られているかは分からないですけど(笑)、そういう時に向ける眼差しから、南雲が狩山に抱いている思いを感じ取ってもらえるのかなと思っています。
――では一ノ瀬さんには、そういった尊敬する先輩はいますか?
南雲と狩山のように常に一緒に働いているわけではないので距離感は少し違いますが、町田啓太さんですね。「テッパチ!」という自衛隊のドラマでご一緒させていただいたときに、僕を含めて若手みんなのことを気にかけつつ、でもみんな対等な立場として接してくれました。
フランクな狩山に対して、町田さんはもっと真面目でスマートな感じではあるのですが(笑)、現場の一人一人をリスペクトする狩山と、自衛隊の方やプロデューサーの方と意見を交わしながら、僕たちにも一対一で向き合ってくださった町田さんの姿は重なる部分があります。そう考えると…やっぱり好きですね(笑)。
――そんな尊敬する狩山を巡っては、南雲はある難しい立場に立たされます。
感情が忙しい役なんだろうなというのは感じていました。狩山から大事なことを任されていて…。南雲の気持ちを想像しながら楽しんでいただきたいですが、いろいろな感情ですごく葛藤する役です。
でも、自分自身のキャリアだったり婚約者・絵里菜(山本舞香)との将来だったりというのは、世の中の人にとっては当然考えることだと思うので、板挟みになる姿はみんなに共感していただけるのかなと思います。彼が取る選択を見て、自分だったらどうするかと考えるとより一層ドラマを楽しめるような、視聴者の方々と近い感覚を持った人物だと思います。
TCエンタテインメント